トップ観る > ノスタルジック伊根探訪・前編〜世界にひとつだけの舟屋の町〜

ノスタルジック伊根探訪・前編〜世界にひとつだけの舟屋の町〜

  • Xアイコン
  • Facebookアイコン
  • はてなアイコン
  • Lineアイコン
  • Pocketアイコン
  • Linkアイコン

f:id:kyotoside_writer:20170426231636j:plain

編集部ライターの江下です。このKYOTO SIDEが始まって以来、ずっと取り上げたくてウズウズしていた伊根(いね)町。京都府のいちばん北に位置する丹後半島にある伊根町はアクセスがなかなか難しい場所で、機会をいろいろ伺っていたところ、なんと京都駅から伊根まで直通バスがスタートしたとの情報を聞きつけ、これは渡りに船!と、取材を申し込み、あこがれの舟屋の地を目指して、遂に伊根へ行ってきました!

 

バスで1本!京都駅からの直通ライナーで快適バス旅

f:id:kyotoside_writer:20170426232434j:plain

天橋立・伊根ライナーは、4月15日にスタートした、丹後海陸交通株式会社の新しい高速バスです。これまで、電車&路線バス、または車で行くしかアクセス手段がなかった伊根町。ここに京都駅からバス1本で行けてしまうとは何とも嬉しい^^
バス乗車の際は、事前予約で、0120-15-8814(予約センター)へお電話を。座席予約ができます。運賃は伊根までの片道、大人1名3200円。京都駅バスセンターで事前にお支払い、または降車時に直接バス車内でお支払いでもOKだそうです。

 

f:id:kyotoside_writer:20170426232728j:plain

朝8時に、京都駅バスターミナルC2乗り場に集合した取材チーム。
本日乗車する天橋立・伊根ライナーが到着し、運転手さんによる予約の座席確認が行われます。私たちも座席番号を伝えて、いざ乗車。
京都駅からの出発は8時10分、定刻どおり、京都駅を出発です!

 

f:id:kyotoside_writer:20170426232841j:plain

乗車してしまえば、後はもう目的地到着を待つのみ…到着予定は、11時ちょうど。
2時間50分のバスの旅は、朝ごパンを食べながらや、おしゃべりしながら、または到着まで睡眠タイムなど、過ごし方は皆さんそれぞれ。長旅ですが、途中の道の駅・味夢の里での小休憩や、バス車内にもトイレはあるため、もしもの時でも安心^^
かなり快適なバス旅です。

 

f:id:kyotoside_writer:20170426232945j:plain

このバスの名称は、天橋立・伊根ライナーということで、もちろん天橋立にも直行できます。
10時10分に天橋立駅、10時28分に天橋立ケーブル下(天橋立傘松公園)に到着。バスの中からでもばっちり天橋立を拝めてなんだか得した気分になります!

 

f:id:kyotoside_writer:20170426234340j:plain

天橋立の光景にワクワクしている間に、景色はどんどん海へ!
バスは海岸沿いを走行していきます。目の前に広がる雄大な日本海^^
“京都”というと、あまり海のイメージはないのですが、日本海と接する京都北部は「海の京都」と呼ばれており、いま国内外から注目される観光スポットが目白押しなのですよ。

伊根へ到着!海と山が織りなす絶景コントラスト

f:id:kyotoside_writer:20170426234534j:plain

予定どおりの定刻11時、バスは伊根バス停へと到着です!!
バスから降りて、すぐに感じた潮風と海の香り…そして目の前に現れたのは、透き通って海底まで見える美しい海(!)と、そこにズラリと並び立つ舟屋群でした。これが本物!!
ただただ、うっとり眺めてしまいました。カモメとウミネコがこれまたいい感じで鳴いてまして、のどかな海街の光景が広がります。

 

f:id:kyotoside_writer:20170426235414j:plain

目の前の舟屋に見惚れていた私たちをにこやかに出迎えてくれたのが、今回取材協力をしていただいた、伊根町観光協会の吉田さん。伊根ビギナーには心強い味方となってくれる方です^^
本日はどうぞよろしくお願いします♪

 

f:id:kyotoside_writer:20170427002026j:plain

波も穏やかな伊根湾の入江を取り囲むように230軒が建ち並ぶ舟屋群。舟屋とは、1階が船のガレージ、2階が居室という独特の建物で、水際ギリギリのところでうま〜く建てられています。道路を挟んで、山側にあるのが主屋(おもや)。伊根の住人は多くの場合こちらの主屋にお住まいです。
元々この地方では古来より、独特の「とのぶと(ともぶと)」と言われる軽舟漁業が盛んで、この漁を行うための舟を格納&すぐに出漁できる船小屋が、「舟屋」なんです。江戸時代の中頃から存在しているそうで昔は木造茅葺き、今のような木造2階建てになったのは明治〜昭和初期にかけてだそうです。

 

f:id:kyotoside_writer:20170426230251j:plain

舟屋が並び立つ町は、世界中探してもここ、伊根だけだそうで、まさに世界にひとつだけの町。
初めて来たのに、なんだかとても肌に馴染み、私はなんだか不思議な懐かしさを感じました。それは、日本人のみならず外国の方も同じように言われるのだそうです。「ここは、自分の故郷の町に似ている…」と。静かで、時が止まったかのような風景がそう思わせるのか…なんとも不思議な感覚でした。

伊根ビギナーなら海上タクシーに乗車すべし!

f:id:kyotoside_writer:20170427002316j:plain

伊根ビギナーの私には、ここで見るもの、聞くことすべてがとっても新鮮!
周りをキョロキョロ、ウロウロ、あれこれ質問していたところ、吉田さんがニッコリ。
「伊根が初めてであれば、ぜひ海上タクシーに乗ってみましょう!^^」と、携帯でどこかへ連絡を…。
海上タクシーって?と思いながら待つこと5分、一隻の舟がブーンと私たちの元へ。

 

f:id:kyotoside_writer:20170427002559j:plain

電話1本で来てくれたのは、海上タクシー・成洋丸と、船長の倉さん。
そう!海上タクシーとは、その名の通り、漁船を利用した海の上のタクシー。場所から場所への行き来のほか、伊根浦育ちの漁師さんによるガイド付きの舟屋巡り遊覧もできるのです!!
漁師さんって、無骨な海の男…ってイメージがあったのですが、今回お世話になった成洋丸の倉さん、最初の一言目が「自分は無口でシャイで人前に立つのは嫌なんだよ〜…あ、でもカメラで撮るなら事務所の許可取ってな」と、芸人さんもビックリのおしゃべり上手。とってもチャーミングな漁師さんでした。笑

 

f:id:kyotoside_writer:20170427002812j:plain

舟屋めぐりのコースは30分、1人1000円です。
海上タクシーは、電話1本でどこへでも駆けつけてくれて、ガイド周遊しながら目的地まで連れていってくれます。伊根では全部で5隻の海上タクシーが走っているそうです。
乗り込んだらライフジャケットを身に着けて、いざ海へ!!
陸から見るのとはまた違う、海側からの舟屋群の光景を見ながら、この伊根の町の歴史についてや舟屋について、船長さんが更に詳しく説明してくれました。

 

f:id:kyotoside_writer:20170427002909j:plain

伊根湾ではタイやブリ、岩牡蠣の養殖が行われていることや、一般人でも鮮度抜群の旬な魚を購入できる伊根漁港(朝方6時半〜7時半頃に、大型定置網漁であがったいろんな魚を水揚げしてるのだとか)の話、伊根で行われる海のお祭りなど話題も豊富。地元の方ならではのガイドは、伊根についてギュッと凝縮した情報。ちょいちょい小ネタを挟みながらガイドしてくれるので、船上では笑いが止まりません。

 

f:id:kyotoside_writer:20170427003100j:plain

このロケーションが、よくドラマや映画で使われている光景なのだそうです。NHKの朝ドラや、有名映画のロケ地にもなったという舟屋も見せてもらいました。
船長さん曰く「伊根は小さい町だけど、殺人事件がよく起こるとこなんですよ〜。ただし、2時間で解決してくれます。」
某サスペンスの女王や、赤●検事もここを訪れたそうで、なるほど!と思いました。笑

 

f:id:kyotoside_writer:20170427003137j:plain

飛んでるカモメやウミネコに、なんと餌やりもさせてもらいました!
ゴハンがもらえると思った鳥たちが、舟の周りにわんさか集まってきます。
手からパッと餌を投げると、器用にくちばしでサッと掴んでいく鳥たち。
1つ、餌を人差し指と親指でつかんで差し出してみたところ、こちらもサッと持ってってくれました。
動く舟の上だし、最初はくちばしに刺されるんじゃないかと怖くておそるおそるだったんですが、鳥たちの方が慣れてますね。うまいこと取っていってくれる。慣れてきたら全然怖くないのです^^
追いかけてくるウミネコたちが可愛くて、餌やり体験、とても楽しかったです。

 

f:id:kyotoside_writer:20170427003256j:plain

伊根湾に浮かぶ、青島(あおしま)。ここは無人島で、地元の共有財産です。
伊根湾の入り口に浮かぶこの島は、湾内に入ってくる波の防波堤の役割を果たしているのだそうです。
荒ぶる日本海側に面していながら伊根湾が穏やかなのは、伊根の地が三方を山に囲まれており、山が一旦、日本海からの荒波や風を止めてくれます。山に囲まれた地形で、伊根湾の中はそんなに大きな波が来ません。満潮・干潮時でも、水位の動きは1日30センチ未満なのだとか。
水際ギリギリのところで舟屋が建ち並べるのは、このような様々な好条件が揃う奇跡の土地だからなのです。船長さんの説明に、納得する一同。

 

f:id:kyotoside_writer:20170427003539j:plain

現存する舟屋の中でいちばん古い、150年前(江戸時代末期)の舟屋です。
梁は低く、中の木材の一部も当時のままだそうで近代の舟屋とは構造や工法が違う造りとなっています。間口が広く、全体的に大きな舟屋ですね。元々は地元の有力な庄屋さんの舟屋だったそうですよ。この江戸時代の舟屋を見て、今回のクルーズは終了。30分があっという間の、内容も濃厚な海上周遊でした!

 

f:id:kyotoside_writer:20170427003619j:plain

ノスタルジック伊根探訪・前編はここまで。
次回の後編では、伊根に新しくできた観光交流施設「伊根日和」や、ここでしか食べられない最旬伊根グルメをご紹介します♪
どうぞお楽しみに!

■■INFORMATION■■

天橋立・伊根ライナー
丹後海陸交通株式会社
予約TEL:0120-15-8814(予約センター)
★ご乗車の際は、ご予約をお願いします。
運行期間4月15日(土)〜5月31日(水)
※ただし、5 月 3 日(水)、4 日(木)、5 日(金)、6 日(土)は運休
出発場所:京都駅バスターミナル C2乗り場
所要時間:伊根まで2時間50分(8:10発〜10:59伊根着)
http://www.amanohashidate.jp/wp-content/uploads/2017/03/cd1c26b5bd3cf4d6a853922757c43b74.pdf

 

伊根湾海上タクシー

■成洋丸(今回の取材協力船)
0772-32-0230、携帯090-2193-8523

■亀島丸

0772-32-0585、携帯090-8579-1002

■碧海丸
0772-32-0111

■ハービー
0772-32-0356

■まるいち丸
0772-32-0608

 

 

  • Xアイコン
  • Facebookアイコン
  • はてなアイコン
  • Lineアイコン
  • Pocketアイコン
  • Linkアイコン

特集

同じカテゴリの記事

【2024】京都のバラ園スポット8選〜芳醇な甘い香りに包まれる〜

【2024】京都府の「藤」おすすめ観賞スポット〜たおやかに咲く藤の花〜

【2024】 京都府ツツジの名所14選~晩春から初夏を鮮やかに彩る花~

【2024】京都綾部・ミツマタとシャガの森〜黄と白の可憐な花が埋め尽くす〜

公式アカウントをチェック!

ページトップアイコン