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夏の夜空を焦がす祈りの火—京都 五山送り火—

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8月16日の午後8時——。
町を囲む山影がすっかり闇に溶け込むと、東の空に赤い線が灯り始める。
刻一刻と表情を変えながら、静かに浮かび上がるのは、力強い「大」の文字。
京都市に夏の終わりを告げる「五山の送り火」の始まりだ。

 

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 「五山の送り火」は、お盆に迎えた精霊を再びあの世へ送り出すための伝統行事。午後8時頃に点火される「大文字」を皮切りに、5分間隔で「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」が順次点火され、それぞれ約30分間、京都の夜空を焦がします。その起源は定かではありませんが、朝廷や幕府と関わりなく地元の人々によって始められ、数百年間にわたって民間で受け継がれてきたのだとか。かつては「い」や「一」、「蛇」、「長刀」などもあったと伝えられています。

最初に灯る「大文字」がよく知られているため、「大文字焼き」と呼ぶ人もいますが、実は生粋の京都人はその呼び方が大嫌い。以前、実際に言ってしまった私は「山焼きと違うんよ〜」と、やんわりたしなめられました。 

 

↓↓過去の五山の送り火の様子はこちらから↓↓

京都いいとこ動画「京都 五山送り火2015【ダイジェスト】」

 

「五山の送り火」には、さまざまなご利益が伝えられており、有名なところでは点火資材として使われる護摩木に名前と持病を書き、火床で焚いてもらうと病が治る。火床に残った消し炭を半紙などで包み、水引をかけて戸口に吊るすと厄除けになる。送り火を映した水やお酒を杯で飲むと無病息災に暮らせる。などが知られています。護摩木は「妙・法」を除く4山で奉納の受け付けが行われているので、祈りを託してみてはいかがでしょうか。

 

↓↓もっと詳しく知りたい人は、こちらも要チェック!↓↓

京都いいとこ動画「1分でわかる京都五山送り火」

 

 そんな「五山の送り火」を満喫するなら、暗くなる前に鑑賞スポットを決めておくのが肝要。おすすめの場所は……

○大文字 :賀茂川(鴨川)の堤防
○妙・法 :北山通(ノートルダム女学院周辺)、高野橋北
○船形  :北山大橋北西
○左大文字:西大路通
○鳥居形 :松尾橋、広沢池

なるべく多くの山がみたい人は、やっぱり京都タワーや京都駅ビルの空中経路など、高い場所を確保するのがベストですね。最後に、「五山の送り火」はあくまで自らの健康に感謝し、鎮魂の気持ちを捧げる祈りの火。くれぐれも騒がず心静かに鑑賞してくださいね。

 

■■INFORMATION■■【点灯予定時間】
大文字20:00、妙・法20:05、船形20:10、左大文字20:15、鳥居形20:20

【護摩木奉納の受付場所と時間】
○大文字 :銀閣寺門前(15日12:00〜19:00、16日6:00〜14:00)
○船形  :西方寺駐車場(3〜15日8:00〜16:00、16日8:00〜10:00)
○左大文字:金閣寺門前(15日9:00〜15:00、16日7:00〜14:00)
○鳥居形 :右京区嵯峨鳥居本小坂町 府道50号線 八体地蔵付近(13〜15日10:00〜16:00、16日9:00〜15:00)
※いずれも予定です。変更される場合があります。

【詳細はこちら】
京都市観光協会
https://www.kyokanko.or.jp/okuribi/

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