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綾部の黄色の絨毯「ミツマタの森」と真っ白な小径「シャガの森」

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森の中に突然現れるミツマタやシャガの群生……この「神秘の花園」があるのは京都府綾部市の市街地から約30キロ、福井県との県境に位置する「水源の里老富(おいとみ)」地区にある「市茅野杉(いちかやすぎ)の森」です。
例年、3月下旬からミツマタが、4月下旬からシャガの花が森を埋め尽くすのですが、昨年は雪が多く、残念ながら雪解け後の4月末からシャガだけが公開されました。
今年(2023年)は満を持して3月18日(土)~5月21日(日)まで開園。また、コロナ禍で中止となっていた、ぜんざいやコーヒーの販売も復活するそうです。山の空気と可憐な花を楽しみに、現地を訪れてみませんか?

 

黄色いじゅうたんがどこまでも続く、ミツマタの花園

2023年の見頃予想:3月下旬から4月上旬

森の中を歩いていると突然、目の前に広がる黄色いミツマタの花園。山の上の方まで黄色い花が風に揺れ、木漏れ日が降り注ぐ様子はまるで絵本の世界のようです。

ミツマタは、枝が3つに分かれていることから三又=ミツマタと呼ばれ、新緑が芽吹く前、枝先に蜂の巣のような形をした黄色の花が咲きます。樹高は約2メートル、香りはラベンダーのような甘い香りです。樹皮には強い繊維質があり、和紙の原料になるのだとか。

全国的にも類を見ない素晴らしい群生ですが、これらはどうやってできたのでしょう。群生地の保全をしている水源の里老富・代表の酒井省吾さんにお話を伺うと、これらは自生しているのではなく、元はというと昭和初期、和紙の原料として売るために集落の方が少しだけ植えたものなのだそうです。
ところが戦争が激しくなったために存在が忘れられ、戦後になっても森の中で誰に知られることなく、ひっそりと花を咲かせていたのです。

そして時は経ち、10数年前の大雪で枝が折れ、樹の手入れしたところ、森に程よい光が入るようになり、ミツマタやシャガがどんどん増えていったのです。

再生の花・ミツマタ

ところが一昨年、12月から2月末まで止むことなく降り続いた雪は花園を深い白銀の世界に変えてしまいました。
「一時は2階の屋根の高さまで雪が積もったんですよ」と酒井さん。そのため昨年は3月の開園を断念。ようやく雪解けした4月上旬、森に入ってみると……
「太さ20センチ以上もある杉が何本も根っこから倒れて道をふさいでいてね。私たちだけでは、とうてい作業ができず、地元の森林組合に頼んで伐採したり、撤去してもらったりしたんです。」

シャガは春になってから茎を伸ばすため雪害がなかったのですが、枝物のミツマタは、雪解け後に見ると枝が折れたり、大きくしなったりしていていました。
「どうなるかなと思ったのですが、ミツマタは再生力が強いんですね。秋になると枝が復活してきたんです。」
そこで今年、無事にミツマタの花園が公開できる運びとなったのです。

白いシャガの花の小径をどこまでも歩く

2023年の見頃予想:4月下旬から5月中旬

ミツマタのシーズンが終わると、純白のシャガが森を埋め尽くします。写真は森の入口から森の広場まで約400メートル続く「シャガの小径」。こんな素敵な小径を歩くことができるんですよ。とってもロマンチック。

シャガの草丈は30~50センチ。白地に黄色と紫の個性的な模様が入ったアヤメに似た植物で、人里に近い森林周辺の湿った木陰などに自生します。

このシャガの群生も全国でも類をみない規模なのですが、ミツマタ同様、ここに群生地があることは知られていませんでした。最初に発見されたのがシャガの群生で、雪害により森の木を伐採してから少し時を経た2015年のこと。綾部市の写真家・鈴木隆さんが風景撮影のポイントを探すために森に入り、偶然見つけたものなのです(ミツマタの群生はその翌年に発見)。
「ミツマタやシャガにとってこの樹々の隙間から入る光が良いんですね。ですから私たちは特に手入れはしていないんですよ」と酒井さん。
木漏れ日が純白の花を照らす様は言葉にできない美しさですね。

休憩所「花やどり」の名物ぜんざいが復活!

写真左:ぜんざい 写真右:とち餅

今年は嬉しいことがもう一つ。5月21日(日)まで休憩所花やどりで、3年ぶりに名物のぜんざいやコーヒーの販売が復活します(販売日は未定)。もちろん地元のお母さんたちが作る伝統の「とち餅」や「とち大福」などトチの実を使った地元特産品の販売もありますよ。

とち餅は、この地で冬に食べられてきた伝統食。9、10月頃にとちの実を拾い、茹でてから灰でアクを抜き、もち米と一緒に蒸して作られます。トースターで焼くと、とちの香ばしい香りが広がります。焼いてそのまま食べるのも良いですし、砂糖しょう油にからめたり、餡子との相性もバツグンなのでぜんざいにして食べるのもおすすめです。

また、GW頃は「花やどり」周辺のボタンザクラなどが満開になり、こちらも見ものです。森の中は舗装されていないので訪れるときは汚れても良いスニーカーや登山靴で訪れてくださいね。

開園情報は綾部市観光協会のHPやSNSで随時発信しています。訪れる前には必ず事前にチェックして、確認してくださいね。
綾部市観光ガイド|ようこそ、綾部へ。綾部の観光お役立ち情報サイト
https://www.ayabe-kankou.net/oitomi_mitsumata/

■■INFORMATION■■
水源の里老富 ミツマタとシャガの群生地
京都府綾部市老富町在中
問い合わせ:0773-42-9550(綾部市観光協会)
※開園情報、「花やどり」の営業日は事前に必ずHP等で確認してください。
開園時間:10:00~15:00
料金:200円(運営協力金)高校生以下無料
服装:森の中を歩くので汚れても良いスニーカーや登山靴がおすすめ!
駐車場:あり(第1Pは20台、第2Pは40台駐車可)
アクセス:【自動車】国道27号「山家」交差点から府道1号に入り、福井県境まで直進、群生地まで駐車場から徒歩約5~10分

【花やどり】
営業期間:3月18日(土)~5月21日(日)までの、水、金~日曜日と祝日
営業時間:10:00~15:00

 

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