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京都古寺探訪@巨石と雲海の寺・笠置寺~なぜこんなところに超巨大摩崖仏が!?~

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今回ご紹介するのは人口約1400人と日本で2番目に人口の少ない町、笠置(かさぎ)町のシンボルが笠置寺に鎮座する石の仏さま。

笠置町といえば、日本初のボルタリング青春映画『笠置ROCK!』のロケ地として話題になった、“石”のテーマパークですね。 

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まちのシンボル笠置山には巨石が点在し、そこには16メートルにもおよぶ摩崖仏(まがいぶつ)が鎮座します。摩崖仏というのは、自然の巨石や岸壁などに刻まれた仏さまのこと。なぜこんなところにお堂をはるかに超える大きさの巨大摩崖仏が・・・取材してきました。

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巨石が、弥生時代は神さま、奈良時代からは仏さま

笠置寺は巨石である弥勒石(摩崖仏)がご本尊。京都に長らく住んでいるけれど、ご本尊が巨石というお寺へ訪れるのは初めてです。こんなところが京都にあったなんて衝撃!

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写真は弥勒石。高さ16メートル。ちょうど、大阪・道頓堀にある江崎グリコの電光看板のランナーの大きさと、ほぼ同じ。

元弘の戦乱(1331年、後醍醐天皇を中心とした鎌倉幕府の討幕運動)で石の表面が剥落してしまって、お姿が見えなくなっているのです。約1か月、後醍醐天皇の南朝の都となった際に、全山焼き討ちに遭ったそうです。

弥勒石の横に2つの巨石が並びます。右は文殊菩薩、左は薬師如来。ベンチに腰を掛けて眺めていると、石の三尊が倒れてくるかのように迫ってきます。圧巻で言葉が出ませんでした。

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摩崖仏が見れないのか…とちょぴりがっかりしていた方!大丈夫です。12メートルの岩肌に刻まれた9メートルにおよぶ伝虚空蔵摩崖仏が拝めます。

「さわっても大丈夫ですよ」とご住職がおっしゃってくださったので、

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仏さまの輪郭を指でたどってみました。ちょうど指一本くらいの太さ。くっきりと美しい曲線で描かれています!真下から仰ぎ見るのも格別です。

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作者や年代は不明ですが、平安時代もしくは鎌倉時代にはあったと伝えられています。周囲に建物がなかったため、元弘の戦乱(1331年)の兵火から守られました。

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なぜこんなところに2体の摩崖仏が?

笠置寺が創建されるずっと前、今から2000年前から巨石を神と崇拝する「磐座(いわくら)信仰」の聖地でした。

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「今でこそ、この巨石は花崗岩で、地中深くにあったものが隆起して地面に露出したってわかるけど、古代の人はそんなことわからないからね」

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なんでこんな巨石がここにあるのかわからないことからの恐れや、自然に対する怖さを感じ…“神さま”と崇めるようになったんでしょうね、そして神に頼りたいという気持ちが仏を刻ませた。それが約1300年前の出来事で、奈良の大仏が造営される前のこと。

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奈良時代になると巨石に仏さまが刻まれ、石仏を中心に50もの諸堂が建立され巨石群は山岳信仰の修行場となり、笠置寺の原型が出来上がりました。規模的には高野山。

 東大寺お水取りのルーツを発見!?文化圏は奈良だった

笠置寺は南都仏教界の僧侶の修行場だったことから奈良との関係も深かったそう。大仏殿建立に際して開山の良弁(ろうべん)和尚・実忠(じっちゅう)和尚の二人によってお水取りが弥勒摩崖仏のすぐ前にある正月堂で行われました。

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実は東大寺の有名仏事である「お水取り」の起源は笠置寺だったのです!

「東大寺に、二月堂、三月堂、四月堂はあるけど、正月(一月)堂ってないでしょう?そう、それがここにあるからなんですよね」ご住職。

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ちなみに住所は京都府だけど、電話番号の市外局番は奈良というところも、“笠置あるある”なのかもしれませんね。(笑)

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なお、正月堂は崖に立っているので、清水寺と同じ懸崖造りに。

山伏の気分になってプチ修行ときどき雲海&紅葉の絶景ときどき仏像

修行の聖地だけに、さまざまな巨石のご利益スポットが目白押し。守られていると失いつつある動物的な第六感を磨き上げる修行を、かつて南都のお坊さんたちがこぞって笠置寺で行いました。

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修行のスタートが、胎内くぐり。修行の前に身を清めるために狭い穴をくぐります。

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胎内めぐりをすることで、お母さんのお腹の中に入ってまた生まれ変わるという意味があります。

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UFOのような形の巨石も修行場のひとつ。ボルタリングのような修行体験ができる場所なんです。ここの大きな石の上に立つと、

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絶景!山間を流れる木津川と里山。なんどか絶景ポイントに出合います。

「修行場という固いイメージを持たずに、ここに来てのんびりと四季折々の自然の風景を楽しんでほしいですね」ご住職。

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秋から早春にかけて朝7時から8時頃には雲海を見ることができます。仙人になったかのような気分で笠置山から朝日を拝みましょう。

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11月中旬から下旬には、境内のもみじ公園の紅葉が錦を織りなします。早朝だと雲海とセットで紅葉を大満喫できます!!毎年11月1日から30日までライトアップも開催(予定)。

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さらには宝物館では、東大寺より譲り受けた十一面観音菩薩立像(平安時代)にも出会えます!摩崖仏だけでなく、素晴らしい宝物も。見ごたえ抜群です!

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この秋は秋のお楽しみ満載の行楽スポット・笠置寺へぜひともお越しくださいませ~。

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■ infomation

鹿鷺山 笠置寺(かさぎでら)

0743-95-2848

京都府相楽郡笠置町笠置笠置山29

9:00~16:00

大人300円

電車/JR関西本線 笠置駅より徒歩45分

車/大阪(難波)からは、第二阪奈道(宝来インター)・国道24号線・国道163号線経由で、約80分程度 。
京都駅からは、京奈道(山田川インター)・国道163号線経由で約70分程度 。
山頂に駐車場あり 500円(普通車のみ) 
詳しくは、こちらをチェックしてください。


◆もみじ公園のライトアップ

2018年11月1日~30日の期間、17:00~21:00まで
今年の紅葉まつりは11月17日(土曜日)に開催

紅葉公園ライトアップはに関するお問い合わせ先

笠置町商工観光課 TEL 0743-95-2301
(平日の8:30~17:15 土日祝は、休み)

 

 

 

 

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