最近、ぼーっと生きてると5才児に叱られちゃうというN●Kの某雑学番組にハマっているスタッフEです。毎回、ものすご〜く素朴な疑問を解決に導いてくれるのですが、今回のKYOTOSIDEのテーマは「京都の紅葉は、なぜキレイなの?」。
なんで、紅葉と言えば京都、そうだ京都に紅葉見に行こう!という図式が生まれたのか―。
今日は、その謎に迫ります。
京都の紅葉が美しいと言われる理由
今回のお話は、KYOTOSIDEでおなじみ、京都府立植物園の樹木医・中井貞さんに聞いてきました!
京都の紅葉がキレイな理由は、①自然環境、②歴史&文化という2つの側面が関係しているのだそうです。
では、それぞれ見ていきましょう!
①紅葉が色づく条件が全て揃った場所であること
まずは、自然環境要因から。紅葉は、最低気温が8度を下回ると色づきが始まり、5度になると色づきが美しくなるそうです。
美しい色づきのための基本的な三大条件としてあげられるのは、寒暖差(気温差)、十分な日照、水分環境です。そこに加えて、平地より斜面にある、空気が澄んでいる、これらも加わるとより美しく色づくそう。
京都は三方を山に囲まれた盆地であり、夏は猛暑で冬は底冷え、高い建物もないため日照条件もクリアしています。まちなかには鴨川や桂川と言った大きな川が流れており、水分環境もばっちり。紅葉が美しくなるための環境条件として、京都は場所的に恵まれているんですね。
元々、落葉樹が色づくことを「もみつ」と呼んでいました。
秋に赤くなる植物のことを「もみじ」という呼び方をしていたそうなのですが、その中でいちばん紅葉観賞の対象となったのがイロハモミジと言われる植物。このイロハモミジは、別名タカオカエデとも呼ばれています。
このタカオとは、神護寺や高山寺でも知られる京都市北西部の高雄地区のこと。高雄周辺の山の斜面に自生するイロハモミジが格別に美しいということで、この別名が付きました。高雄周辺は、紅葉の環境条件が特に凝縮されているようで、古くから紅葉名所として知られてきました。他にも比叡山など、京都には紅葉の名所と言われるところが数多く存在することも、紅葉と言えば京都と言われる要因の一つとなっています。
②京都が「都」であったこと
歴史・文化的な側面でいうと、京都に「都」が置かれたということが大きく影響していると言います。具体的に言うと、日本庭園文化と、桜や紅葉を愛でるということの力の入れ具合。
日本庭園とは、大自然を自分の庭の中に凝縮してそれを観賞するものです。時代ごとに庭園様式は変わりますが、どの時代もベースは自然環境を取り込むこと。
春は桜、秋は紅葉、これらをどのように自分の庭に入れようか…と、先人達はあれこれ考えたんですね。歴史的に都が京都にあったため、必然的に日本庭園は京都が中心となりました。
全国にも紅葉名所はありますが、数でいうと圧倒的に京都にあるんですね。
キレイな紅葉が見える景色をどのように自分の庭に植えるか―。
池を造って、流れを造り、石組みを組んで池際にモミジを植えることで自然の秋の紅葉景色を再現しようとするんですが、各時代ごとに違った様式で造られた日本庭園が現在もたくさん残っている場所、それが京都です。
通常、紅葉見に行こう!というと、自然の紅葉、自生している野生のモミジを見に行くことになりますが、京都はそこにプラスして人間の手で造られた庭園=歴史的に表現されてきた京都の自然環境の中で紅葉を見られるということが、国内や世界中から京都に紅葉を見に来るお客さんが多い理由だそうです。
まもなく紅葉シーズン到来!秋の京都府立植物園
9月の台風21号は各地に大きな爪痕を残し、京都府立植物園でも多くの樹木や植物が被害を受けました。ですが!紅葉に関しては大きな被害はないそうで、今年も植物園の美しい紅葉風景が見られそうです。
秋の植物園の見どころは、名所にある紅葉(イロハモミジ)以外の、多種多様な紅葉が見られること!
11月の初旬頃から始まるスズランノキ、ニッサボク、ニシキギといった世界三大紅葉樹の紅葉や、園内にある国内最大クラスのフウの木のほか、絶景と名高い「なからぎの森」の池周辺の紅葉銀座など、たくさんの樹木や植物の紅葉が楽しめます。11月24日・25日の「秋の植物園フェスタ」では、松谷名誉園長や職員が案内する紅葉散策ツアーもありますよ。
今夏は猛暑で雨が少なかったところに秋になり多くの雨が降っていることから、美しい紅葉の条件は揃っているようです。これからの気象の推移によって多少左右されるそうですが、期待が膨らみますね!
KYOTOSIDEでは、京都府内のさまざまな紅葉情報を今後もたくさん出していきます。どうぞお楽しみに!^^
■■SPECIAL THANKS■■
今回お話を伺った京都府立植物園 樹木医の中井貞さん
■■INFORMATION■■
京都府立植物園
京都市左京区下鴨半木町
開園時間:9:00〜17:00 (入園は16:00まで)
料金:一般200円、高校生150円、中学生以下無料
★温室観覧料/一般200円、高校生150円、中学生以下無料 温室入室時間/10:00から15:30(16:00閉室)
http://www.pref.kyoto.jp/plant/