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【京都・舞鶴市】海軍料理をいただける松栄館

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f:id:kyotoside_writer:20181110205235j:plain海軍さんの肉じゃが戦争が勃発して久しいですが、実際のところ海軍さんたちが船の中で食べていた料理って肉じゃがだけじゃなかったはず! じゃあ、船の中でどんなものを食べていたのか、気になりませんか? その海軍料理がいただけるレストランが海軍さんの街・舞鶴にこの秋、オープンしました!

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明治37年創業、海軍さん御用達の元旅館

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東郷平八郎も贔屓にしていたというだけあり立派な門構え

その海軍さんの料理がいただけるのが、舞鶴市の「松榮館」。この立派な建物は明治37年開業の旅館「松栄館」の元別館で、かつて近くに舞鶴鎮守府があったことから初代長官・東郷平八郎をはじめ旧海軍関係者御用達旅館でした。

 

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舞鶴鎮守府の初代長官・東郷平八郎像

ところがこんな立派な建物にもかかわらず長年、使われなかったため老朽化。一次は解体の危機も迎えましたが、舞鶴市民有志による活動で保存が決定。今年10月、当時の洋食を再現した「ほんまもん」にこだわるレストランとして生まれ変わりました。

 

f:id:kyotoside_writer:20181110210006j:plainさっそく、早速、中へ入ってみましょう~。

 

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廊下には海軍さん御用達の「櫻正宗」の鏡が

レトロクラシックですてき~!

 

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こちらは復刻版。松榮館で販売もしています

レシピの元になっているのが明治41年9月発行の『海軍割烹術参考書』。西洋料理ばかり載っているのかと思ったら玉子焼きの仕方、ぬた調理法など「日本料理の部」、チキンチョップやミンチパイなどが載った「西洋料理の部」に分かれています。船のなかでは和食も食べていたんですね。

 

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予約をすれば2階でコース料理がいただけます2500円~。右上の部屋の書は東郷平八郎の手になるもの

ところがこの参考書、指示がかなりアバウト。例えば「シチュードキューカンバーカンバー」なら、“材料はきゅうり、牛肉、玉ねぎ、麦子、トマトソース、塩胡椒である”といった具合(大体、キュウリのシチューって何?)。ゆえに「材料の割合、調味料の分量はどのぐらいなのかが全く分からず、そこを割り出すのにとても苦労しました」と料理長の一色一さん。

 

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能舞台のある庭に面した大広間はレストランに変身

そこで相談したのが、海軍料理研究家の高森直史さん。高森さんといえば舞鶴地方総監部経理長等を歴任した元一等海佐。旧海軍料理書から「肉じゃが」のルーツを発掘し、舞鶴や呉の町おこしに協力した、あの「肉じゃが戦争」の火付け役でもあります。その高森さんらと共に明治から営業している洋食レストランのレシピなどを参考にし、新たに一から再現したのだそうです。

 

f:id:kyotoside_writer:20181110210722j:plain「調べていて面白かったのは、当海の一般庶民には手に入らない材料を沢山使って、今の料理とほどんど変わらないぐらいだったことですね。例えば、マカロニグラタンにはマカロニやチーズが普通に使われていますし、アイスクリームにはバニラエッセンスを入れています。調べれば調べるほど今と変わらない食材が登場して面白かったですね」。そんな海軍さんの料理、食べてみたいです!というわけでさっそく実食です~。

 

海軍といえば、やっぱりカレー!! 

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セットに牛乳がプラスされているのが、いかにも海軍っぽい!海軍カレイライス 900円

参考書には「カレイ(カレー)ライス」の名で登場。こちらは参考書と実際に海軍料理に携わった主計科の方方々の証言をもとに研究を重ねて再現しました。実際はカレー粉を使用していますが(当時からカレー粉があったんですね!)、「全く同じでも面白くないと思いまして、コリアンダーやクミンシードなどスパイスを使って作りました」と料理長。スパイスの香りが上品。激辛とかではないので、辛いのが多少、苦手な人も大丈夫かと思います。ご飯は海軍らしく麦飯。

 

f:id:kyotoside_writer:20181110210844j:plainそして注目すべきは、この野菜の切り方。「船の中で調理したので恐らく具材はざく切りだったのではと思い、大き目にカットしています」。海の男らしい豪快なイメージです。

 

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特注のシルバー。重厚感と心地よい重みがあります

ところで明治の日本海軍はイギリスと親交があったので、西洋料理はイギリス式なんですって。だからカレーはスプーンではなくフォークで食べます。だからといって普通のカトラリーセットを置かないのが「ほんまもん」にこだわる松榮館。日本で一番古いカトラリーの型を持っている工房を探し、新潟県の銀食器工場に注文。フォークは海軍マークを入れて作ってもらっています。ちなみに銀座の老舗洋食店でもこちらのカトラリーを使っているみたいですよ(#^^#)

「でも、参考書にはお皿やカトラリーの形が図解されていて、これを見るとナイフもちょっと変わった形をしているので、いずれは全て再現したいと思っているんです」とスタッフの中木屋直樹さん。これは完全再現が楽しみですね。

 

ワイルドさ満点! 野性味あふれるシチューハンバグ

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シチューハンバグ1200円

最後はハンバーグ。「トマトミンチビーフ」などを参考に作ったレシピで、「おそらく海軍がハンバーグを作ったらこんな感じではないかと想定して作っています」と料理長。メインの牛肉は今みたいにサシが入ったり柔らかく無かったので全国の肉を食べ比べ、当時の肉に一番近いのではと考えられたのが石垣牛。「当時は“つなぎ”を一切使っていないので、すり下ろした玉ねぎ、卵黄を加え、とにかく肉をひたすらこねてつくりました」。

 

f:id:kyotoside_writer:20181110211027j:plainハンバーグというと肉汁があふれ、やわらかーい! 噛まなくても飲めちゃう(⁈)なんて思いますが、こちらは違います。肉の旨味をしっかり噛みしめるハンバーグ。ところが、これが後を引く美味しさ。さらに大き目にカットされた野菜とデミグラスソースが香ばしくて美味です。

 

制服にも「ほんまもん」のこだわりが

f:id:kyotoside_writer:20181110211146j:plainちなみにこちら、お給仕をしてくださるスタッフさんの制服がカワイイ~のです。こんな所からも気持ちを盛り上げてくれます。

 

建物、料理ともに大満足でした。いや~、海軍に入るとこんなにステキなご馳走が食べられたんですね。ちなみに海軍肉じゃがは500円の単品でいただくことができるので、追加するのもおすすめです。
赤れんがパークへは歩いて11分ほど。赤れんがで遊んでランチは松榮館でというのもオススメですよ!

 

松榮館 

京都府舞鶴市字浜18
TEL 0773-65-5007
ランチタイム  11:30~14:30
ディナータイム 17:30~21:30
交 JR東舞鶴駅から徒歩11分

 

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