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ご存知でしたか? お茶の京都・山城エリアは日本茶(抹茶・煎茶・玉露)のふるさと

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宇治茶の一大産地として知られる京都府南部の山城エリア(お茶の京都)は、ただいま新茶のシーズン真っ只中!新茶の爽やかな香りを嗅ぐだけで、新緑のパノラマを見渡しているような清々しい気分になりますよね。新茶に限らず、日本茶には緑茶カテキンやビタミンCといった栄養も豊富に含まれているので、健康を守りたい今こそ積極的に飲みたいものです。

そこで今回は、日本茶に秘められた歴史や健康パワーを一挙公開!代表的な日本茶3種をおいしく味わう方法もご紹介します!

お茶の京都・山城エリアは「日本茶のふるさと」

代表的な3茶種を生み出した800年の歴史

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ひと口に日本茶といっても、その種類はさまざま。日本茶の消費量の約70%を占める「煎茶」のほか、世界的にも広く知られる高級茶の「玉露」、茶の湯に用いられる「抹茶」、香ばしい風味が持ち味の「ほうじ茶」などがあります。

もちろん、はじめから多くの種類があったわけではなく、日本でお茶の栽培が始まってから今日まで、およそ800年の長い歳月をかけて進化を遂げてきました。その舞台となったのが、京都のお茶処・山城エリア(お茶の京都)です。13世紀、栄西禅師が中国からもたらしたお茶の栽培方法を、華厳宗の僧・明恵上人が宇治の里人に教えたのが始まりとされています。

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鎌倉時代に茶栽培が始まったといわれる和束町原山の茶畑

室町時代になると、足利将軍家によって「宇治七茗園」が指定されるなど宇治の茶栽培はますますさかんに。もともと薬として飲まれていたお茶ですが、この頃から「闘茶」「茶寄合」などと呼ばれるお茶の利き当てや連歌を楽しむ場に用いられるようになりました。

そして戦国時代には、茶の湯を確立した千利休らの要望を受けて、茶葉の苦みを抑える「碾茶(てんちゃ)」の栽培法(覆下栽培)が編み出され、色鮮やかで旨みの強い「抹茶」が誕生。茶の湯の文化に無くてはならない存在になりました。

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碾茶を石臼で挽き、きめ細かな抹茶に仕上げます

今やおなじみの「煎茶」が登場したのは江戸時代に入ってから。現在の宇治田原町湯屋谷でお茶の栽培に携わっていた永谷宗円が、蒸した茶葉を「焙炉」と呼ばれる加熱式の作業台で手揉み乾燥させる製茶技術(青製煎茶製法)を発明し、色・味・香りともに優れた煎茶を誕生させたのです。

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宇治田原町湯屋谷に復元された煎茶の祖・永谷宗円の生家

煎茶が江戸を中心とした庶民に普及したあとも、山城エリア(お茶の京都)ではさらなる挑戦が続きました。その結果生まれたのが、碾茶の栽培法と煎茶の製法を掛け合わせた「玉露」です。濃厚な旨みが際立つ玉露は、最高級緑茶の代名詞となり、日本国内だけでなく世界中で愛されるようになりました。

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玉露はよしずなどで直射日光を遮り、茶葉の旨み成分を引き出します

このように、抹茶、煎茶、玉露という日本茶を代表する3茶種を生み出してきた山城エリア(お茶の京都)は、いわば「日本茶のふるさと」。伝統のお茶づくりを守るだけでなく、よりおいしく、より新しいお茶を追求する精神が、今もこの地に根付いています。

こんなにあった!日本茶の健康パワー

バリア機能UPに役立つ注目成分も!

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昔から「身体によい」とされてきた日本茶ですが、科学が発達するにつれ、その理由も明らかになってきました。まずは5つのおもな成分に注目してみましょう。 

・カテキン類

渋みを作り出すポリフェノールの一種で、お湯の温度が高いほど抽出されやすくなります。抗酸化作用をはじめ、殺菌・抗菌作用、抗ウイルス作用、コレステロール抑制作用、口臭予防など、さまざまな効果が期待できます。

・テアニン

旨みや甘みをもたらすお茶特有のアミノ酸。脳の中枢神経に作用し、リラックス効果があるとされています。旨みの強い玉露や抹茶に多く含まれます。

・ビタミン類

特に、風邪予防や美肌づくりなどに役立つビタミンCが豊富。本来は熱に弱い成分ですが、緑茶のビタミンCは熱を受けても壊れにくい性質を持っています。

・カフェイン

苦み成分の一つで、主な作用として覚醒作用や強心作用、利尿作用などが挙げられます。眠気の取れない時に摂取すると、頭がスッキリして集中力を高めやすくなります。

・ミネラル

ミネラルは生体機能を調節する重要な成分。緑茶には、老廃物の排出を促すカリウムのほか、カルシウム、リン、鉄などが含まれています。

ほかにも、虫歯予防に役立つフッ素や、鎮静・鎮痛作用があるサポニンなど、頼もしい働きをしてくれる健康成分づくしです。特にいま、注目されているのはカテキン類のパワー。抗菌・抗ウイルス作用が期待できるこの成分を取り入れて、身体のバリア機能をうんと高めたいですね。

おいしく淹れて、おうち時間をもっと豊かに!

本場に学ぶ日本茶の正しい淹れ方

お茶本来のおいしさと健康効果を高めるには、茶葉を準備して一から丁寧に淹れるのがベスト。この機会に、日本茶のふるさと・山城エリア(お茶の京都)で推奨されている“正しい淹れ方”をマスターしましょう!定番の淹れ方に加え、夏にうってつけの水出し煎茶の作り方もお教えします。

・抹茶(1杯分)

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①茶碗に抹茶を茶しゃくで3杯またはティースプーンで軽く山盛り1杯入れる。

②70〜80℃のお湯を約70ml注ぎ、茶筅で素早く混ぜる。

③茶筅の反対の手を茶碗に添え、手首を前後に振るように混ぜ、最後に表面を整えるようゆっくり動かし、静かに茶筅を上に抜く。

☆ひと口メモ

抹茶茶碗や茶筅がない場合は、カフェオレボウルやミニサイズの泡立て器でも代用可。

・玉露(3杯分)

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①沸騰したお湯60mlを湯冷ましまたはマグカップに入れ、茶碗に注いで人肌程度(40℃程度)に冷ます。(移し替えるごとに約10℃下がる)

②急須に茶葉を大さじ山盛り2杯(約10g)入れ、冷ましたお湯を注ぐ。

③蓋をせず2分ほど置き、茶葉がお湯を吸って薄緑色に変化したタイミングで蓋をし、茶碗に注ぐ。少しずつ順番に回し注ぐと、3杯分の濃さが均一になる。2煎目からはお湯の温度を上げて抽出時間を短めに。

☆ひと口メモ

玉露の旨み成分は高温のお湯では抽出されにくいので、必ず適温に冷ましましょう。

・煎茶(3杯分)

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①沸騰したお湯180mlを3人分に分けて茶碗に注ぎ、70〜80℃まで冷ます。急須に茶葉小さじ2杯を入れ、茶碗のお湯を注ぐ。

②蓋をして45秒〜1分程度待つ。茶葉が黄緑色に変化したら淹れ頃。

③急須から茶碗に回し注ぎをして、濃さが均一になるようにする。最後の一滴まで絞りきるのがポイント。

④2煎目以降はお湯の温度を少し上げ、抽出時間を短くして1煎目同様に最後まで絞りきると旨みが広がる。

☆ひと口メモ

カテキン類をしっかり抽出したい時はなるべく高温で。ただし、渋みが強くなるので、好みに合わせて加減しましょう。

・水出し煎茶

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〈時間をかけて抽出する場合〉

①煎茶の茶葉大さじ2杯(約8g)をお茶パックに詰め、水400mlを入れたティーポットに入れる。

②冷蔵庫の安定した場所に置き、6〜12時間かけてじっくり抽出する。(濃くしたい時は長めに)

③茶こしで漉してからグラスに注ぐ。

 

〈短時間で作る場合〉

①煎茶の茶葉大さじ山盛り1杯(約5g)をお茶パックに詰め、水100mlと氷数個を入れた蓋付きのティーボトルに入れる。

②ティーボトルの蓋を閉め、1分間程度ボトルをゆっくりと上下反転させて振る。(激しく振ると、泡立ちが強くなるので注意)

③1分間程度静置させたのち、茶こしで漉してからグラスに注ぐ。

☆ひと口メモ

市販の水を使う場合は、お茶の成分が抽出されやすく、まろやかに仕上がる「軟水」がおすすめ。

 

お湯を沸かしたり、抽出を待ったりと少し手間がかかりますが、そうした時間も心のリフレッシュにつながるはず。ゆっくりと味わう時間とワンセットで楽しんでみてくださいね。

本場の宇治茶を味わってみたい!という方は、「お茶の京都」が運営するこちらのオンラインショップをご利用くださいね。旬の今しか味わえない新茶の煎茶&玉露のほか、宇治茶を使った和洋スイーツなどもお取り寄せできます♪

 

■■information■■

お茶の京都DMO

ochanokyoto.jp

 

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