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9月20日から動物愛護週間〜京都動物愛護センターに行ってきた!〜

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ここ数年、SNSや動画配信サイトで大人気のアニマル動画。お仕事の合間やほっとひと息つきたい時に、ついつい見ちゃう♡という人も多いのではないでしょうか。そんな癒しをくれる動物たちと絆を深める期間が、9月20〜26日の動物愛護週間! 動物を愛する心を育み、ペットの正しい飼い方を見つめ直す機会にしようと制定されたものなんです。

今回は動物愛護の最前線「京都動物愛護センター」におじゃまして、所長補佐で獣医師の神村孝さんにお話を伺ってきました。

イメージが違う!? 画期的な動物愛護センター

 

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京都市南区上鳥羽公園内にある、自然と調和した建物

京都動物愛護センターは、2015年にオープンした、京都府と京都市が共同で運営している動物愛護の拠点です。実は、縦割りといわれる行政の垣根を超えて、このような施設が作られたのは全国で初めて! 情報が統一化され、譲渡対象が府内全域に拡大されたおかげで、動物たちの譲渡件数も増えたんです。

「動物愛護センター」と聞いて多くの方は、動物を殺処分する施設と思われているのではないでしょうか。産み落とされた幼猫、負傷し治療困難な犬猫、攻撃性があり人が扱えない犬などは、麻酔薬を用いた殺処分となることもあります。ただし、それ以外の犬猫は、健康管理、ワクチン接種、血液検査、避妊去勢手術(ただし、幼犬猫、高齢犬猫を除く)等を行い希望者に譲渡する未来を紡ぐ場所なんです。訪れた第一印象は、明るくてきれい! しかも駅から近い!! ほとんどの自治体の動物愛護センターは郊外にありますが、ここは京都駅にもほど近い、近鉄「十条」駅から歩いて約5分という抜群の立地にあるんですよ。

ボランティアさんも活躍!愛護センターのお仕事

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ボランティアさんの愛がこもった館内の展示物

センターのお仕事は、行き場のない犬や猫を保護し、健康管理をして新しい飼い主さんに譲渡するほか、トレーナーさんによる「しつけ方教室」を開いたり、動物愛護の啓発イベントを行ったり……と多岐に渡ります。そのため、動物たちの日々のお世話や館内の展示物の作成、来所者への対応などはボランティアさんによる尽力が大きいところ。今のところ約100名の方が登録されており、現在、第8期のボランティアスタッフを募集されています。
応募〆切:令和2年9月28日〈月〉
応募方法はこちらから↓
https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000271898.html

どんな動物が保護されているの? 

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写真右:今回お話を伺った職員の神村さん

京都動物愛護センターに搬入動物は犬と猫。センターに来た経緯はさまざまですが、神村さん曰く、犬の場合は飼い主の体調不良や死去で飼い続けることができなくなったケースが一番多く、猫の場合は、産んで親猫が飼育放棄した子猫を持ち込まれるケースが多いそうです。
平成30年度に搬入された犬は195頭、猫は1046頭。どちらも年々、数は減っており(平成25年度と比べると半減!)、譲渡割合が増えているのが幸いですが、理想はそもそも持ち込まれる犬猫がいないこと。人と動物が真に共生する社会を目指して、皆で問題を考え、改善していきたいですね。

動物たちは施設でどのように過ごしているの?

搬入された犬や猫は、まず「収容室」に入って健康状態やケガの有無をチェック。その後、「検疫室」で感染症の検査やワクチンの接種、人と暮らす準備として行動の矯正などを行い、「譲渡室」で新しい飼い主さんとの出会いを待ちます。神村さんの案内で譲渡室に行ってみると……

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猫の譲渡室

取材当日は生後3カ月ぐらいの子猫を中心に10頭ほどが待機。

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じゃれあう子猫たちがかわいい……。

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ステキな飼い主さんを待っています。

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飼い犬を亡くした寂しさを埋めるため、京都動物愛護センターでボランティアを始めた吉元さん。
「長くお世話した子にお迎えが来ると嬉しい」とニッコリ。

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犬の譲渡室

エアコン、床冷暖房完備の部屋が全部で20室。

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相性や飼育環境のマッチングのため、部屋には性格などを記載したカードを掲示。「この犬を迎えたい」と思っても、条件が合わない場合は、職員やトレーナーの判断などにより、お迎えできないことも。

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怖がりでいつも隅っこにいるというマイ君。

センターから動物を迎えたいと思ったら

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動物を迎えてくれるなら、誰でもいいというわけではありません。
まずはこちらのページ(https://kyoto-ani-love.com/owner/before/)をよく読んでから、センターにお問い合わせを。
譲渡を成立させるためには、さまざまな条件や審査があります。

ペットを飼っている方は注目! こんな設備も

ドッグラン

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すでに、愛犬を飼っている人には、ご縁のない施設かもと思いきや、実は敷地内には、登録すれば誰でも使えるドッグランとトリミングルームがあるんです(登録方法はこちら→https://kyoto-ani-love.com/service/dog-run/)!
ドッグランは総面積3,000㎡と、都市部にあるとは思えない広々空間。全面に芝生が敷かれているからとっても快適なうえ、大型犬ゾーン、中型・小型犬ゾーン、個別利用ゾーンに分かれているので安心です。

■利用時間
9:00〜17:00(5/1〜8/15は9:00〜18:00、10/1〜2/28は10:00〜16:00)、木曜(祝日の場合は翌平日)休

■利用料金(1時間)
大型犬ゾーン300円/頭(飼い主1人につき1頭まで)、中型・小型犬ゾーン300円/頭(飼い主1人につき2頭まで、リードを外せるのは1頭のみ)、個別利用ゾーン3050円(要予約、5頭までで6頭以上は1頭あたり+300円)

トリミングルーム

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トリミングルームには、ドッグバスやトリミング台、ドライヤーを完備。トリミングサロンさながらの設備で、自分で愛犬のお手入れをすることができます。これならお家でお風呂に入れるのが大変な大型犬のお手入れもバッチリできそう!

■利用時間
9:00〜17:00、木曜(祝日の場合は翌平日)休

■利用料金
1時間1010円
※シャンプー、ハサミ、タオル、その他必要なものは要持参

夜間動物救急センター

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突然、夜中にペットの具合が悪くなったらどうしよう……。飼い主さんなら誰もが抱える不安ですよね。京都動物愛護センターには、公益社団法人京都市獣医師会が運営する年中無休の京都夜間動物救急センターが併設されています(診察時間21:30〜翌2:00)。もしもの場合はまずお電話(075-693-9912)で相談を。必要であれば救急処置をしてもらえます。

取材を終えて

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京都動物愛護センターに搬入される犬猫たちの中には、残念ながら飼い主の身勝手で飼育放棄された犬猫や多頭飼育崩壊の被害にあった犬猫もいます。神村さんから伺った多頭飼育崩壊の現場のお話は壮絶で、見せていただいた写真は筆舌に尽くしがたいものでした。私(ライター)も猫を飼っていますが、改めて「命」を預かっているのだという自覚・責任を痛感しました。

近年は、桂川流域の野犬問題がたびたび報道されていますが、保護された野犬たちは、意外なことにあまり痩せていないそうです。「かわいそうだから」という一時の感情で食べ物をあげると、野犬同士で繁殖してしまい、結果としてかわいそうな命を増やすことに繋がりかねません。動物を愛する気持ちは尊いものですが、愛し方を間違えることのないように。この機会に身近な動物との関わり方を考えてみませんか。

■■INFORMATION■■
京都動物愛護センター
住所 京都市南区上鳥羽仏現寺町11
電話 075-671-0336
開所時間 9:00〜17:00
休所日 木曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
アクセス 近鉄京都線「十条」駅下車徒歩約5分
https://kyoto-ani-love.com

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