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文化庁が京都へやってくる!〜新庁舎周辺の文化散策スポット〜

来たる令和5年3月27日、文化庁がいよいよ京都での業務を開始します。文化庁の京都移転は、明治時代以降で初となる中央省庁の移転であり、京都府庁に隣接する旧京都府警察本部本館が改修・増築され、新庁舎として新たな第一歩を歩み始めます。今回は、この文化庁京都移転にちなみ、新庁舎の周辺にある“文化散策スポット”をご紹介します!

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文化庁が京都へやってくることの意味

散策を始める前に……そもそも文化庁とはどのような省庁なのかご存知でしょうか? 文化庁は、芸術文化の振興、文化財の保存・活用、国際文化交流の振興等を使命とする国の重要な機関です。
文化庁が京都へ移転してくる理由は、「東京一極集中の是正」と「文化の力による地方創生」などが挙げられます。文化財が豊富にあり、伝統的文化が蓄積されている京都府への移転で、さらに日本の文化芸術が振興していけるよう、大きな期待が寄せられています。

文化庁の新庁舎周辺・散策MAPはこちら

文化庁の新庁舎が出来るのは、京都市内の中でも閑静な御所西エリア。周辺には、魅力的な文化スポットが点在しています。
今回はその中から、上記のスポットをご紹介しますので、散策の際の参考にしてくださいね。
それでは早速、文化散策スタート!!

①京都府庁旧本館

ネオ・ルネサンスの美が光る現役の庁舎

文化庁の新庁舎の目と鼻の先にあるのが「京都府庁」です。こちらの旧本館は、“旧”とついていますが、現在でも執務室や会議室として使われていて、創建当時の姿をとどめる現役の官公庁建物としては日本最古のものなのだそうです。
旧本館の見どころは、なんといってもこのお城のようなネオ・ルネサンス様式の建築です。建物は左右対称に作られ、上には石造りのべランダも。さらに近くで見ると、繊細な細工が施されているのが分かりますよ。

左上)旧知事室、右上)村井吉兵衛が寄贈した飾り棚、
左下)アカンサス、右下)アカンサスをモチーフとした旧本館内のデザイン

もちろん中にも入れます。館内には10代目京都府知事の大森鍾一さんから蜷川虎三さん(34~40代目)までの24人の知事が使った「知事室」や、長楽館を建築した実業家・村井吉兵衛が寄付した飾り棚など、当時の姿を今に伝える空間や設えを見ることができます。
また、館内のいたるところに施されたあしらいは、アカンサス(ハアザミ)という花と葉がモチーフになっています。この植物は、ギリシアの国花で古代ギリシア以来、建築やインテリアなどの装飾モチーフとなってきたのだそう。旧本館はこのアカンサスとリボンでデザインが統一されているので、ぜひ探してみてください。

そして1階にあるのが旧議場。厳格な場でありながらも、美しく煌びやかな雰囲気に圧倒されてしまいます……!ちなみに2階の回廊は傍聴席になっています。
職人さんによって復元されたシャンデリアや、重厚なカーテン、美しく塗りなおされた漆喰壁など、室内のさまざまな設えは一見の価値あり。ここは、コンサートや展覧会などで使用されることもあるんですよ。
旧本館の2階には「NPO法人京都観光文化を考える会・都草」さんが常駐していて、案内をしてくれます。のんびりと見学するのも楽しいですが、解説付きで巡ってみると、面白い発見があるかもしれませんね。

■■INFORMATION■■
京都府庁旧本館
場所:京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町
電話:075-414-5432(京都府庁旧本館案内所:特定非営利活動法人京都観光文化を考える会・都草
時間:10:00~17:00
休み:日・月曜、第2・4土曜
料金:無料
HP:https://www.miyakogusa.com/
※「正庁」及び「旧議場」は、府の事業による使用で御見学できない場合があります。(お問合わせ:075-414-5435)

②山田松香木店 京都本店

心静かに香りを“聞く”

1772年創業の香木専門店「山田松香木店」。こちらではお香をはじめ線香や匂袋、香炉など香りに関する商品を扱っています。
日本の香り文化は、飛鳥時代に中国から伝わったのが始まり。平安時代には、貴族の間で香料を調合した練香がブームとなり、着物や部屋に香り付けするようになりました。そして室町時代後期には茶道や華道のように、芸道の形が作られていったのです。

聞香実践体験のようす

山田松香木店では、聞香コースと調香コースの2種類の体験ができます。聞香実践体験では、香木のたき方を教えてもらいながら、自分で支度をしていきます。炭に火を熾(おこ)したり、香炉の灰を整えたりと、繊細な作業もあるのでプロに教えてもらえるのはうれしいですね。こちらは聞香の基礎を体験できるので、おうちでやってみたいという方におすすめ。

ちなみに、香道において香りは“嗅ぐ”ではなく“聞く”と表現されます。これは、心を傾けて香りを聞き、鑑賞するという意味が込められているんですよ。なかなか触れることが少ない香道の世界を体験して、文化としての香りを楽しんでみてください。

■■INFORMATION■■
山田松香木店 京都本店
場所:京都市上京区勘解由小路町164
電話:075-441-1123
時間:10:30~17:00
料金:聞香実践体験2750円※要事前予約
休み:年末年始・お盆
HP:https://www.yamadamatsu.co.jp/

③護王神社

和気清麻呂公を護ったイノシシのご利益にあやかる

京都御所の西側を歩いていると現れる大きなイノシシの像。ここ「護王神社」は“いのしし神社”とも言われ、イノシシを祀り、境内にはたくさんのイノシシがあるんです。
こちらの神社は、もともとは高雄山神護寺の境内にあり、和気清麻呂(わけのきよまろ)公を祀っていましたが、現在の場所には明治19年(1866)に明治天皇の勅命によって移されました。

さて時は遡り奈良時代。時の天皇の寵を得ていた弓削道鏡(ゆげのどうきょう)は、天皇の地位を狙い画策します。そして、あっけなく清麻呂公に嘘を暴かれてしまいます。これに怒った道鏡は清麻呂公の足の腱を切り流罪に。清麻呂公は流された先でも刺客に襲われますが、この窮地を救ったのが300頭のイノシシでした。

イノシシに守られながら無事に宇佐八幡へ参拝した清麻呂公の足は、不思議なことに完治し、再び歩けるようになっていたのだとか。このことから、清麻呂公とイノシシの話は後世に語り継がれ、護王神社には狛イノシシが建てられ、清麻呂公を護っています。また、この逸話から、足腰の病気やケガの回復のご利益があると言われています。
心身の健康には足腰の健康も必須。ぜひ参拝して健脚をめざしましょう!

護王神社に訪れた時の記事はこちら

■■INFORMATION■■
護王神社
場所:京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
電話:075-441-5458
時間:6:00~21:00(ご祈祷・授与品受付時間)9:00~17:00
料金:境内自由
HP:http://www.gooujinja.or.jp/

④虎屋菓寮 京都一条店/虎屋 京都ギャラリー

御所御用を勤めてきた老舗和菓子店で芸術鑑賞

室町時代後期に創業した和菓子の老舗「とらや」。後陽成天皇の御代から御所の御用を勤めていて、東京に都を遷した時も天皇にお供する形で京都の店はそのままに、東京にも進出しました。「虎屋菓寮 京都一条店」のある辺りは、少なくとも寛永5年(1628)より前からとらやが商いをしてきた場所です。

また、喫茶である虎屋菓寮ではテラス席でお庭を眺めながら和菓子をいただけますよ。中でも「あんみつ」(単品1540円)は人気メニューのひとつ。丁寧につくられたこし餡は、豆の風味を生かしつつ程よい甘味が特徴です。また、色寒天や琥珀羹などが器の中で輝き、目にも楽しい一品です。

写真は過去の企画展時のもの

さらに、「虎屋 京都ギャラリー」が併設されていて、春や秋に、京都にちなんだ展示などが開催されます。過去にはとらや所蔵の品の展示や、とらやとゆかりのある刀匠の作品展、京都の若手職人が作った工芸品の展示など、同店を軸に多岐にわたる企画展が行われました。
おいしい和菓子とともに、日本の文化が垣間見えるギャラリーも見学してみてはいかがでしょう。

■■INFORMATION■■
虎屋菓寮 京都一条店/虎屋 京都ギャラリー
場所:京都市上京区一条通烏丸西入広橋殿町400
電話:075-441-3113
時間:10:00〜18:00(L.O17:30)
休み:毎月最終月曜(12月を除く)、元日
※京都ギャラリーの入場は無料、開催等はHPで要確認
HP:https://www.toraya-group.co.jp/

⑤京都御苑

四季折々の自然が見られる憩いの場

画像:photolibrary(https://www.photolibrary.jp

京都御苑は、京都市のまちなかで約65haもの広大な敷地を有する国民公園です。その広さは京都御苑を東西に歩くと約10分、南北では約20分もかかるほど。
苑内には京都御所や京都迎賓館など、格式高い建物があるほか、テニスコートや児童公園、食事ができる休憩所までそろい、市民の憩いの場としても人気の場所です。
そして苑内では多種多様な動植物を見られることでも知られています。まず樹木は約5万本、草花は500種以上、野鳥は100種以上、キノコでは400種以上が確認されています。

画像:photoAC (https://www.photo-ac.com/

まちなかの公園でこんなにもたくさんの動植物を見られることは珍しいですよね。
春には桜、夏は緑が生い茂り、アジサイなど鮮やかな花々が咲き、秋は紅葉、冬には木々に積もる雪景色など四季折々の景観も楽しめます。散策ついでにぜひ、苑内の自然にも注目してみてください。

■■INFORMATION■■
京都御苑
場所:京都市上京区京都御苑 3
電話:075-211-6348(京都御苑管理事務所)
時間:入苑自由
料金:無料
休み:なし
HP:https://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/

⑥京都御所

約500年間、歴史の中心にあった天皇のお住まい

提供:宮内庁京都事務所

京都御所は、794年に桓武天皇が平安京に都を移されたのが始まり。当初は千本丸太町あたりにあった内裏をはじめ、貴族のお屋敷を借りて里内裏として各地を転々としながら住まわれていましたが、1331年に光厳天皇が現在の京都御所の場所で即位されて以降、1869年に明治天皇が東京に都を移されるまでの500年間を天皇の住まいとして使用されていました。
京都御所の建物の中で一番格式の高い正殿が「紫宸殿」(写真)です。こちらは平安時代の建築様式で建てられていて、伝統的な儀式を行う場として使われます。
実は京都御所は、紫宸殿を含め、幾度なく火災で焼失していますが、この紫宸殿だけは必ず再建されているのだそう。現在の建物では、明治・大正・昭和の三代の天皇がここで即位礼を行っています。ちなみに、平成、令和の代では高御座と御帳台を一度解体して、皇居に運び、即位礼が行われました。

提供:宮内庁京都事務所

こちらは天皇が日常お住まいになる「清涼殿」です。紫宸殿と同様に平安時代の建築様式で建てられていて、中央には天皇が休息の際に使われた御帳台が置かれています。清涼殿は令和4年3月に屋根の葺き替え工事が完了したばかりで、屋根はもちろん、蔀戸や御簾も塗替え・新調されました。きれいに生まれ変わった姿は必見です。

■■INFORMATION■■
京都御所
場所:京都市上京区京都御苑3
時間:4月~8月は9:00~16:20(最終退出 17:00まで)、9月及び3月は9:00~15:50(最終退出 16:30まで)、10月~2月は9:00~15:20(最終退出 16:00まで)
※参観は京都御所西側にある清所門から入場
休み:月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始(12月28日~1月4日)、その他行事等実施で休止日あり
HP:https://sankan.kunaicho.go.jp/multilingual/kyoto/index.html

⑦京都迎賓館

日本の伝統工芸の技術が集結した贅沢空間

京都御苑の中にある「京都迎賓館」。こちらは海外からの賓客を心を込めてお迎えし、日本への理解と友好を深めてもらうために2005年に建設されました。
招待された偉い方々しか入れないと思いきや、実は一般の方でも参観ができるんです。参観は「ガイドツアー方式」で行われ、聚楽の間や夕映の間、藤の間など各部屋をガイドさんが案内してくれます。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため「自由参観方式」は休止中です。

館内はお部屋の美しさもさることながら、目を奪われるほど見事な伝統工芸品がたくさん! 写真左上は人間国宝にも選ばれた截金師(きりかねし)・江里佐代子氏の手による截金(※)の技法が施された藤の間の舞台扉『響流光韻(こうるこういん)』。金箔と銀色のプラチナ箔が、互いの美の長所を引き立て合いながら、二つの色が交差するさまに、「人と人との出会いもそうありたい」との願いがこめられています。
ほかにも、日本画家の箱崎睦昌氏の下絵をもとに綴れ織の技法で織った壁面装飾『愛宕夕照(あたごゆうしょう)』や(写真右上)、京指物(きょうさしもの)の行灯(写真左下)、和食で賓客をおもてなしする「桐の間」(写真右下)など、館内全てが見どころとなっています。
日本の伝統技能が集結した素晴らしい空間で、ぜひ日本の美しさと工芸の粋を体感してください。
※截金…極細の金箔(銀箔、プラチナ箔など)を貼って文様を表す装飾技法

■■INFORMATION■■
京都迎賓館
場所:京都市上京区京都御苑23
電話:075-223-2301
時間:9:30~17:00(15:30受付終了)
料金:(ガイドツアー方式)大人2000円、大学生1500円、中高生700円※参観は中学生以上から
休み:水曜(祝日の場合は翌平日)、接遇等運営上の都合による日
HP:https://www.geihinkan.go.jp/kyoto/
※参観は事前予約が優先です。HPでご確認ください。


京都迎賓館のプレミアムツアーに参加した時の記事はこちら


 

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