京都にはたくさんの神社がありますが、そこで必ずといっていいほど目にするのが「鳥居」ですよね。柱と笠木で構成された鳥居は、どれも似たような印象を受けますが、実はその形状や素材はさまざまで、よくみると「こんな鳥居もあるの!?」と驚くような不思議な鳥居も!
今回は、そんな京都の特徴的な鳥居に注目した、摩訶不思議な鳥居の世界をご紹介します。
※記事中の情報はすべて2025年7月時点のものです。
3基の石鳥居を組み合わせた「三柱鳥居」
【京都市】木嶋坐天照御魂神社
木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)は、本殿の東側に養蚕の祖神を祀る「蚕養神社(こかいじんじゃ)」があることから、通称「蚕ノ社(かいこのやしろ)」と呼ばれています。
境内の元糺(もとただす)の池には、3基の石鳥居を組み合わせて正三角に配置した「三柱鳥居」があり、中央には神座が置かれています。なぜこのような形状をしているのかは解明されていませんが、一説にはキリスト教のネストリウス派の遺物ではないか…と伝わっているそうです。
■■INFORMATION■■
木嶋坐天照御魂神社
京都市右京区太秦森ケ東町50-1
電話:075-861-2074
開門時間:境内自由
拝観料:無料
黄金色の輝きを放つ「金の鳥居」
【京都市】御金神社

画像提供:御金神社
御金神社(みかねじんじゃ)は、主祭神に金属類を司る金山毘古命(かなやまひこのみこと)を祀っていることから、お金にまつわるご利益がある神社として広く信仰を集めています。
境内でひときわ目を引く「金の鳥居」は、京都の老舗・堀金箔粉株式会社が手がけた特別な塗料により、屋外でも色褪せることなく金色の輝きを保ち続ける、全国的にも希少な鳥居です。
■■INFORMATION■■
御金神社
京都市中京区西洞院通御池上ル 押西洞院町614
電話:075-222-2062
開門時間:境内自由(社務所:10:00~16:00)
拝観料:無料
朱色が連なる神秘的な「千本鳥居」
【京都市】伏見稲荷大社
古くから商売繁昌や五穀豊穣の神様として、人々の篤い信仰を集めてきた伏見稲荷大社。
本殿から奥社へと続く参道に連なる「千本鳥居」は、願い事が「通るように」または「通った」ことへの感謝を込めて、長年に亘り人々が奉納してきたもの。こうした風習は江戸時代以降に広まり、現在では稲荷山全体に大小含め約1万基以上もの鳥居が建ち並んでいます。
■■INFORMATION■■
伏見稲荷大社
京都市伏見区深草薮之内町68
電話:075-641-7331
開門時間:境内自由(授与所:8:00~18:00)
拝観料:無料
連なる「鳥居」と天橋立の絶景スポット
【宮津市】獅子崎稲荷神社

画像提供:天橋立観光協会
春に群生するミツバツツジと、山腹に連なる鳥居の共演が美しいことで知られる獅子崎稲荷神社。
鳥居をくぐりながら長い階段を登ると、山頂の展望休憩所から横一文字の天橋立を望むことができます。この眺めは、室町時代の水墨画家・雪舟が描いた国宝『天橋立図』の構図に似ていることから「雪舟観」と呼ばれ、天橋立を望む絶景スポット「四大観」のひとつに数えられています。
■■INFORMATION■■
獅子崎稲荷神社
宮津市獅子崎
電話:0772-22-8030(天橋立駅観光案内所)
開門時間:境内自由
拝観料:無料
全国的にも珍しい「黒木の鳥居」
【福知山市】元伊勢内宮 皇大神社

画像提供:元伊勢内宮 皇大神社
大江山の麓に佇む元伊勢内宮 皇大神社は、全国に数か所ある元伊勢内宮のひとつ。天照大神が現在の伊勢神宮(三重県)に鎮座する54年前に、御神体が4年間にわたって祀られていたという伝承が残る由緒ある神社です。
本殿前に立つ「黒木の鳥居」は、樹皮のついた自然木をそのまま組み立てた原初的な様式の鳥居。自然素材のため10年前後で建て替えが行われ、現在の鳥居は地元の杉を用いて2022年(令和4年)に新しく建立されたものだそうです。
■■INFORMATION■■
元伊勢内宮 皇大神社
福知山市大江町内宮217
電話:0773-56-1011
開門時間:境内自由(社務所:8:00~16:00)
拝観料:無料
航空機の素材に使われる「ジェラルミン製の鳥居」
【八幡市】飛行神社
飛行神社は、日本で初めて「動力飛行機」を発明した二宮忠八(にのみやちゅうはち)氏によって、飛行機事故で亡くなった人々の御霊を慰めるために1915(大正4)年に創建された神社です。
境内の入り口に立つのは、金属特有の光沢を放つ「ジェラルミン製の鳥居」。ジェラルミンは軽量かつ高い強度を持つアルミ合金で、飛行機の機体にも使われる素材。まさに飛行神社ならではの鳥居といえますね。
飛行神社について詳しくは、こちらの記事もぜひ▼
■■INFORMATION■■
飛行神社
八幡市八幡土井44
電話:075-982-2329
開門時間:9:00~16:30(資料館は16時まで ※最終受付15:45)
拝観料:無料(資料館300円)