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1本の竹からどうやって茶筅を作る?奥深き竹の世界に迫る

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皆さん、茶筅(ちゃせん)や和傘が1本の竹から作られているということを知っていましたか?
世紀の発明王エジソンの偉業である白熱電球の開発の裏に、京都の竹が関わっていたことは?
京都市洛西竹林公園に併設されている「竹の資料館」で、知っておいて損はない!竹に関するおもしろ知識を聞いてきました^^
知ってると周りから「へぇ〜」と言われる竹トリビアをご紹介します!

 

春は、竹にとって黄葉シーズン

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年中青々としているイメージの竹ですが、晩春(5月頃)にふと竹をよくよく見てみると、黄色くなっていることに気づきます。これは、枯れている訳ではなく、竹にとって黄葉シーズンを迎えたことを意味します。

竹は秋に紅葉するモミジと違い、春に黄葉して落ち葉となり、葉が入れ替わります。黄葉(紅葉)と、落ち葉と、若葉が同時に見られるんですね。冬は眠った状態で、地下茎に栄養を蓄え、春の訪れを待ち、タケノコを出すのです。
春は竹にとって、葉を変えて新しいエネルギーを入れる時期。夏は青葉の時期で、栄養を吸収し、秋と冬は見た目のイメージは変わらないですが、地下に栄養を蓄え、タケノコを出す準備期間となっています。

 

発明王エジソンと竹の深〜いカンケイ

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発明王エジソンの最も偉大な発明といえば、白熱電球です。
もっと長持ちし、もっと気軽にたくさんの人が電球を使えるようにするために、エジソンは紙や糸の他、6000種もの植物を使って、電流を流す金属線・フィラメント作りに試行錯誤していました。
そんな中で竹を使用してみたところ、繊維が太く丈夫で長持ちする竹はフィラメントに適していることに気づきました。
世界中の竹を調査し、エジソンが選んだ最高の竹が、京都府八幡市男山周辺のマダケだったのです。
1000時間以上の長時間点灯する白熱電球の実用化に成功したエジソンの発明には、京都の竹が深く関わっていたのです!
竹の資料館では、その当時の電球のレプリカを見ることができますよ。

 

「京銘竹」知ってると竹を見る目が変わります

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ズラリと並ぶ竹見本。京都において「京都府伝統工芸品」に認定されたものを「京銘竹(きょうめいちく)」といい、現在4種類が指定されています。

簡単に言えば、竹は生のままでは使えないので一次加工を行いますが、京都式の一次加工(火=熱を加えること)をしたものを「京銘竹」と呼んでいます。

白竹(しらたけ)は美しい光沢とツヤが特徴で、本物の茶道具を作るにはこの白竹でなくてはならないのだとか。

亀甲竹(きっこうちく)は、竹そのものが京都の特産品であり、縁起の良い亀甲文様が自慢の工芸銘竹です。

図面角竹(ずめんかくちく)は、形が変えられるタケノコの時に枠にはめ込んで四角い竹を作り出し、青竹の段階で模様付け(図面)した竹のことで、主に床柱、花器や椅子など風情ある家具などに使われます。

胡麻竹(ごまだけ)は胡麻状の斑点が美しい竹です。わざと枝を落として半枯れの状況にし、竹にだけつく微生物の作用で美しい胡麻斑が浮き出てくるもので、茶道具でも重宝されているそうです。

 今後、竹製品を見た時に「あ、これは胡麻竹!」などが分かってくると、ちょっと面白いですね。
※他にも「紋竹(もんちく)」や「煤竹(すすだけ)」など、京銘竹に準ずるものもあるので、興味ある方は要チェックです。

 

茶筅や和傘は1本の竹から作られる!

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野点などで使われる和傘、これは骨の部分が1本の竹から作られています。1本の竹の上部分を切って作ることにより、閉じた時にピタッと骨同士が組み合うんですね。
これ、バラバラの部品で作ると合わなくなるそうで…聞けばなるほどとなりますが、それにしても驚きました。職人さんの技術にも脱帽です。

茶筅(ちゃせん)も同じ。1本の竹を80本や120本に割って作ります。

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割った1本1本に、このように糸をかけて作り出します。茶筅の工程も素晴らしいものがありますね。
茶筅は、最も縦に割きやすいハチクを主流として作られているんです。ちなみに、茶杓(ちゃしゃく)はマダケだそう。茶道具を見る目も、今後変わりそうです。

 

知れば知るほど、ますます興味が深まってくる竹の奥深い世界…
ここ、竹の資料館では事前予約で職員さんによる説明が可能です。予約がなくても、来客状況によっては10分程度の短時間なら説明可能だそうなので、ぜひ説明を聞いてみてください!竹に関する見方がガラリと変わりますよ^^

 

京都市洛西竹林公園・竹の資料館
京都市西京区大枝北福町2丁目300−3
TEL:075−331−3821
開園時間:9:00〜16:00 (受付終了) 
入園料:無料
休園日:水曜、12月29日〜1月3日
http://www.rakusai-nt.com/tikurin/

 

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