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宇治田原・正寿院を徹底解剖!猪目窓&花天井の魅力あふれる寺院

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宇治茶の名産地・宇治田原町にある「正寿院(しょうじゅいん)」といえば、猪目窓(ハート形の窓)&花天井をひと目見ようと、良縁祈願の方や女子たちがこぞって訪れる寺院です。
今回は、その魅力を細かくご紹介。歴史やご本尊、境内の見どころに加え、季節ごとのイベントやさまざまな体験、授与品まで網羅。これを読めば、きっとあなたも正寿院に行きたくなるはず!

(画像左下・右下)画像提供:正寿院

創建800年以上の歴史を誇る塔頭寺院

画像提供:正寿院

正寿院は、今から約800年以上前の正治2(1200)年に、飯尾山医王教寺(現在は廃寺)の塔頭寺院として建立されたと伝えられています。お寺の少し奥に瀧谷と呼ばれる小さな滝があり、ここで祈雨の修行を行っていたところ龍神が現れ、恵みの雨を降らせたという言い伝えが残っており、瀧谷寺(りゅうこくじ)ともいわれていたそうです。
戦国・江戸時代に2度の火災に遭いましたが、慶長元年(1596)に、祐胤(ゆういん)という僧が正寿院を再興。江戸時代には寺子屋として多くの生徒が算術や道具を学び、教材として主に絵解き図を使っていたことが、現在にも残る掛け軸などから見てとれます。
ご本尊の十一面観世音(宇治田原町指定文化財)は、50年に1度だけご開帳される秘仏。また日本を代表する仏師として有名な快慶作の不動明王坐像(国指定重要文化財)があることでも知られています。

写真映え!思わず撮りたくなる猪目窓


決して交通アクセスが便利な場所ではないのにもかかわらず、年間数万人もの参拝客が訪れる正寿院。その理由は、なんといっても思わずSNSにアップしたくなるキュートなハート型の窓があるからなんです。

一見、厳格な寺院とはミスマッチなこちらの窓ですが、実は、約1400年前からお寺や神社などの建築装飾で使われている猪目(いのめ)という伝統的な文様なんです。猪の目に似た形をしていることからその名が付けられ、獣の願力で災いを除き、福を招くと呼ばれています。8日、18日、28日の8のつくご縁日には叶紐(かのうひも)という結び紐を授与しています。叶紐は山門をくぐってすぐにある地蔵堂で結ぶ、もしくは大切に持ち帰りましょう。

ちなみにこの叶紐をよく見ると、結び目の表が「口」に、裏が「十」になっていて、この二つの文字を合わせると「叶」という漢字になり、縁起の良い結び方だとか。込められた意味を知れば、もっとありがたい気持ちになれますね。

寝転んで見てOK!フォトジェニックな天井画にも注目!


猪目窓から天井に視線を移した先には、なんとも美しい天井画が描かれています。

日本の風景&花をテーマに、杉板に描かれた160枚の日本画はまさにフォトジェニック!

「寝転んで、ゆったりと自然を五感で感じて頂ける空間を作りたかった」と副住職が語るとおり、お寺なのに寝転んで天井画を見ることができちゃいます!

この天井画の元となるのが、本堂内陣に広がる天井画。こちらは江戸時代に描かれたもので、退色劣化しているものの、よく見ると梵字や花が描かれています。副住職によると、この天井画を後世に残したいという思いから、客殿に天井画を再現したとのこと。こちらも撮影可能なので、ぜひ写真に残しておきましょう!

季節ごとに違った魅力がある正寿院

画像提供:正寿院

山城の美しい自然に彩られた正寿院。先ほどご紹介した猪目窓からは、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、訪れる度に四季の移ろいを感じ取ることができます。

画像提供:正寿院

また、桜の季節にはライトアップも行われ、ピンクのハートがキュートな光景に巡り合えます。

画像提供:正寿院

そして夏には、2000を超える風鈴が境内を埋め尽くす風鈴まつりが開催されます。(このことから正寿院は「風鈴寺」とも呼ばれています。)
もともと風鈴には魔除けの意味が込められていることから、ご本尊の観音様の厄除けにあやかり、風鈴を吊り下げたことがはじまり。茶畑と山と空をバックに風鈴が鳴り響く光景はまさに圧巻!全国各地のご当地風鈴の音の違いを楽しんだり、風鈴絵付け体験にチャレンジしたりと、様々な楽しみ方ができるのも魅力的。京都市内から5℃ほど気温も低く、避暑を兼ねて訪れるのもいいですね。

多彩な体験を楽しんでみるのも◎

画像提供:正寿院

正寿院には、先ほどご紹介した風鈴絵付け体験以外にも、さまざまな体験が用意されています。
たとえば、お庭を見ながら自然を五感で感じるヨガ体験。初めての人や身体が硬くヨガができるか不安な人、おひとり様でも気軽に参加できるのが特徴。和気あいあい、ゆるく楽しくヨガにチャレンジできます。

画像提供:正寿院

また、お寺らしいオリジナル腕輪数珠作りを楽しんでみるのはいかがでしょうか。天然石の意味を確認しながら、一珠一珠願いを込めて選んで、オリジナル腕輪数珠を作ります。

画像提供:正寿院

お茶の京都・宇治田原町らしい体験を楽しむなら、お茶でお香づくりがおすすめ。茶の葉をすりつぶして好みの木型を使って、まるでお菓子のようなお香を作ることができます。もちろん、できあがったお香は持ち帰って自宅で楽しめます。木型の種類もバリエーション豊富で、香りも良く、緑茶発祥の地・宇治田原町ならではの体験が叶います。
他にも、写経体験や写仏体験といった心を整えられる体験も用意されています。各体験の開催日は、正寿院のHPを見てチェックしてくださいね!

★★お茶で作るお香について詳しくはこちらの記事もチェック!★★
https://www.kyotoside.jp/entry/20220913/

御朱印&授与品もハート尽くし!

(画像左上・右上)画像提供:正寿院

正寿院では、猪目の文様にちなんだかわいい御朱印や授与品をいただけます。その一部をご紹介!
画像左上:御朱印帳(2000円)/ 猪目窓に日が差し込む「幸せのおかげ」&天井画の御朱印帳
画像右上:御朱印(500円)/ 拝観の記念に猪目窓の御朱印もいただきましょう!名前を入れてもらえるのもうれしいですね!
画像左下:抜苦与楽地蔵(500円)/苦を抜き、楽を与えてくれるお地蔵さんの愛らしいお守り。赤い前掛けに名前を書いて身につけておくといいそうです
画像右下:水引猪目お守り(800円)/ 簡単には解けない結び方、”あわじ結び”で編まれたハートのお守りは、仕事や恋愛の良縁が長続きするというご利益があるとか。旅の思い出にいただいてみては!?

“昔からあるもの”で心をつかんだ寺院

画像提供:正寿院

正寿院は、若き副住職のフィルターを通して、「ずっと昔からあるもの」を現代の人々にも魅力的に伝わるように、表現や工夫を凝らしているのが大きな特長です。 窓から見える景色や天井画だけでなく、川のせせらぎや鳥のさえずり、風鈴の音、本場の宇治茶の味など、五感で満喫すれば、きっと心も癒やされるはず。 公共交通機関で向かう場合は、正寿院口まで乗車できる「宇治茶バス(2023年3月4日~2023年12月10日の土・日曜、祝日のみ運行)」を利用すると便利。こちらも詳しくは、正寿院のHPを参考にしてください!

■■INFORMATION■■

正寿院
0774-88-3601
京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
拝観料 600円(風鈴まつり期間中は800円)/駐車場協力金1台300円
9:00~16:30(12月〜3月の冬季は10:00〜16:00)
※毎年4月第3日曜日は終日客殿のみ拝観可
※毎年8月17日は終日拝観中止
京阪・JR宇治駅から宇治茶バス(土・日曜、祝日のみ)奥山田正寿院口下車徒歩15分、京都京阪バス維中前バス停よりタクシー利用で約10分、国道307号から宮垣内交差点(奥山田開館付近)を南進約1km

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