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【2021】綾部の森の中にある神秘の花園〜ミツマタとシャガ群生地 〜

f:id:kyotoside_writer:20210318182543j:plain木漏れ日あふれる森の中を歩いていくと突如、現れる黄色く可憐なミツマタの花畑、そしてミツマタと入れ替わるように咲く真っ白で神秘的なシャガの群生。この神秘の花園があるのは京都府綾部市にある水源の里・老富(おいとみ)地区。今年は見頃となる5月16日(日)まで、この花園が一般公開されます。今回は海の京都・森の京都の里山エリアで春を告げるミツマタとシャガが作り出す、幻想的な風景の秘密をご紹介します。

 

半球形をした可憐な「ミツマタ」 

今年(2021年)の見頃予想:3月下旬から4月上旬

f:id:kyotoside_writer:20210318183042j:plainこの幻想的なミツマタとシャガの群生が見られるのは京都府綾部市と福井県との境にある水源の里・老富(おいとみ)地区。その市茅野杉(いちかやすぎ)の森の中にあります。

 

f:id:kyotoside_writer:20210318183023j:plainミツマタはハチの巣のように小さな花が集って半球形を描く可愛らしい花。樹皮は強い繊維質があり、和紙の原料にもなります。そう、綾部市は「日本一強い紙」といわれる黒谷和紙の産地としても有名な地です。

 

f:id:kyotoside_writer:20210321221851j:plain群生地の保全をしている水源の里老富・代表の酒井省吾さんにお話しを伺うと、元々自生していたのではなく昭和初期、和紙の原料として売ろうと集落の方が少しだけ植えたのだとか。ところが戦争が激しくなって売ることができず、森の中でそのままになっていました。

 

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群生地に立つ「山の神さん」。その前には市茅野杉の母樹がそびえます

それがなぜ、こんなにも増えたのでしょうか。元々、老富は林業が盛んな地。この森の市茅野杉(いちかやすぎ)は材木用として育てられていましたが木材が売れない時代が到来。伐採しなくなったことで木が大きく育ってしまい、森に陽が入らなくなっていました。

 

f:id:kyotoside_writer:20210318183317j:plainところが11年前の大雪の時、雪で杉がいたんでしまったことで伐採。すると森に程よい光が入るようになり、ミツマタもシャガもどんどん増えていったのだとか。「この光が良いんですね。ですから私たちは特にミツマタやシャガのための手入れはしていないんです。これらの群生は自然が与えてくれたものなのです」と酒井さん。ミツマタの黄色い絨毯が森一帯を埋め尽くす森は、まるで絵本の世界のよう。

 

f:id:kyotoside_writer:20210318183330j:plainところでミツマタはラベンダーのような甘~い香りがするんですよ。「ミツマタの小径」を歩けば、その香りに癒されるはず。また、写真に写っている道の先にはミツマタのトンネルができるのだとか。見頃のピークは例年だと3月下旬から4月上旬だそうですよ。まさに今ですね!

 

秘密の花園に咲く、純白の「シャガ」 

今年(2021年)の見頃予想:4月下旬から5月中旬

f:id:kyotoside_writer:20210318182724j:plainこのミツマタとシャガの群生は、全国でも類をみない規模だそうですが、実はここに群生地があるのは最近まで知られていませんでした。最初に発見されたのがシャガの群生で、2015年のこと。綾部市の写真家・鈴木隆さんが風景撮影のポイントを探すために入った森で偶然、見つけました(ミツマタの群生はその翌年に発見)。

 

f:id:kyotoside_writer:20210318182816j:plainそう、実は地元の人もここにシャガの群生があることを知らなかったのです。酒井さんにお話を伺うと、シャガは人里に近い森林周辺の湿った木陰などに自生する植物。上林川の上流に位置する老富周辺では、昔から4月下旬頃になると山の斜面にシャガが咲きました。

 

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白地に黄色と紫の模様が入ったシャガの花。アヤメにも似ています

ゆえに「見慣れた花なのでなんとも思っていなかったんです。花自体も地味なので、この辺では“ミソショウブ”なんて呼んでいたぐらい。それが杉林の、しかも平地に群生が見つかりビックリしました。この素晴らしい群生を見て、私たちもシャガの美しさを再認識したんです」。

 

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神秘的な「シャガの小径」を歩いて、森の広場へ

森の中を歩いていると目にする、木漏れ日が純白の花を照らす様は言葉にできない美しさ。確かに道端にそっと咲くシャガの花も可憐で素敵ですが、群生となると神秘的な美がありますね。酒井さんによると見頃のピークは、例年だとGWだそうですよ。

 

綾部の伝統食 とち餅はクセにある美味しさ!

f:id:kyotoside_writer:20210318183401j:plainシャガとミツマタの群生地が見つかって以来、老富地区では地域の貴重な観光資源としてPRするため、ミツマタやシャガの「小径」の整備や休憩所「花やどり」をOPENさせるなど、地元住民が一丸となり取り組んできました。今年は残念ながら「花やどり」でコーヒーやぜんざいなどをいただくことはできませんが綾部の特産品が販売されます。

 

f:id:kyotoside_writer:20210318183430j:plain訪れたらぜひ買ってほしいのが、「とち餅」と「とち大福」です。とち餅は、この地で冬に食べられてきた伝統食。10、11月頃にとちの実を拾い、茹でてから灰でアクを抜き(とちの実はアクがとても強いんです)、もち米と一緒に蒸して杵で搗き、作られます。

 

f:id:kyotoside_writer:20210318183411j:plain材料はとちの実ともち米のみ。トースターで焼くと、とちの香ばしい香りが広がります。お味はというとクルミとは違う独特の風味で、これがクセになりそう。焼いてそのまま食べるのも良いですし、砂糖しょう油にからめたり、餡子との相性もバツグンなのでぜんざいにしても◎。

 

f:id:kyotoside_writer:20210320100717j:plain森の中は舗装されていないので訪れるときは汚れても良いスニーカーや登山靴がベスト。またGW頃は「花やどり」周辺のボタンザクラなどが満開になり、こちらもおすすめです。

 

■■INFORMATION■■
水源の里老富 ミツマタとシャガ群生地

住所:綾部市老富町在中
問い合わせ:0773-42-9550(綾部市観光協会)
料金:200円(運営協力金)
服装:森の中なので汚れても良いスニーカーや登山靴がおすすめ!
駐車場:あり(第1Pは20台、第2Pは40台駐車可)
アクセス:【自動車】国道27号「山家」交差点から府道1号に入り、福井県境まで直進、群生地まで駐車場から徒歩約5~10分

【開花情報は綾部市観光協会HPをチェック】

 

【休憩所「花やどり」今年(2021年)営業日と営業時間】
営業日:3月20日(土・祝)~5月16日(日)の水・金・土・日・祝日(4月28日~5月5日のGW期間は毎日)
営業時間:10~15時

 

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