あなたの「いいね」で「和」を世界へ

すぐそばにある大自然「綾部トレイル」でトレッキングはいかが?

f:id:kyotoside_writer:20201009131836j:plain京都府北部の綾部市は豊かな自然に囲まれ、素晴らしい山や森がたくさんある地。中でもJR綾部駅から車で約30分のところにある上林地区は里山の風景が残る美しいエリアです。その山や森の魅力を感じながら歩こうというのが「綾部トレイル」。コースはいくつかあって石仏や道標、行者堂が残る「三郡山」コース、商人や生活者だけでなく巡礼路としても往来の多かった古道「シデ山・大栗峠」コースなど魅惑的なコースがたくさんありますが、今回はその中から、国宝の二王門を見たり推定樹齢2000年の大トチを見に行く「君尾山ルート」を歩きます。

 

マイナスイオン満点の山歩きを楽しむ

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クマよけの鈴を装備

スタートは、あやべ温泉から(車はここに置くことができます)。ここで本日のガイド、児玉裕美さんと観光協会の白波瀬聡美さんと待ち合わせ。そして事前にあやべ温泉に予約しておいたお弁当を受け取り、リュックにつめたら出発です!

 

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【綾部市観光協会HPより】

本日のゴールはピークハント(山頂を目指す)ではなく、君尾山の自然を楽しむことと国宝二王門、モミやスギの巨木群や樹齢2000年ともいわれる天然記念物の大トチの木を目指す往復約3時間のトレッキング。メインの大トチの木は森の京都エリアで「天上の木」に選ばれた巨木なのだとか。いったいどんな木なのかワクワクです。
※単なる木にはない不思議な魅力を持ち、勇気や癒し、感動を与えてくれる木のこと。

 

f:id:kyotoside_writer:20201014143837j:plainしかも今回は単にトレイルコースを歩くだけでなく、児玉さんによる花や鳥などのネイチャーガイドをしていただけるので、とても楽しみにしていました。

 

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とにかく自然が豊かなので駐車場を出て数歩で山の草花を発見。児玉さんのガイドが面白く、なかなか進まない~(笑)。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009131632j:plain例えば左上から時計回りに、夜明けの星のような黒点があることから名づけられたアケボノソウ、ツリフネソウ、北陸~近畿北部の日本海側に生息するオハラメアザミ。
「これは京都の大原女から名をとったそうですよ」と児玉さん。
そしてアケビ!「この辺りは日当たりが悪いから色があまりつかなかったんですね」
草花を見て歩くだけでもトレッキングが楽しくなります。

観音霊場めぐりでにぎわった古道を歩く

f:id:kyotoside_writer:20201009131811j:plainしばらくすると現れる橋を渡ると一気に山の空気に。あたりは森の湿度と小川のせせらぎでマイナスイオン満点! これはデトックスできそう~。そして、いよいよ山に入っていく感じが高まってまいります。「ほら、今、空でギャーギャーと鳴いているのはカケスですよ」と児玉さん。こんな鳴き声なんだ…と思っていたら遠くでシカのピーという鳴き声が!! 本当に自然が豊かだなあ。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009131836j:plainところで今、歩いているのは君尾山の登山道かと思ったらそうではなく「光明寺の古い参道なんですよ」と児玉さん。江戸時代、京都府と兵庫県にまたがる旧丹波国の観音霊場をめぐる「丹波国三十三観音霊めぐり」が流行り、多くの人がこの道を通ったのだとか。昭和50年代にあやべ温泉ができて車道が通るまで光明寺を参拝するにはこの道を上っていたのだそうです。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132538j:plainしばらく歩くと児玉さんが倒木を指さし「これは白キクラゲですよ」。え、こんなにドロッとしているの?びっくり。「倒木は歩くときに邪魔だけれど、こうしてキノコが生えたりして自然が循環していくので良いものなんですよね」。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009131951j:plain「これ、なんだかわかります?」。あ、これは知っています! 七輪の上に置いて味噌を焼く、あの葉っぱですよね。この葉の上で焼いた味噌は香りがよくてお酒によく合うんですよね~。あと、熱々の白ご飯にもぴったり(うっとり)。「そうそう、棒葉(ほうば)味噌で知られる棒葉です。木の葉はツルツルしていて水ハケが良いので昔からお皿替わりにしたんです。昔は田植えの時に棒葉でおにぎりを包んでもっていったそうですよ」。へー、そんな風にも使っていたんですね!面白いなあ。

冷温帯と暖温帯、中間温帯の木が同時にみられる森

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児玉さんが触っているのがアベマキ

上り坂もひと段落。高いところに上がってまいりました。「右と左の木の違い、分かりますか?」。一見、どちらも同じ木に見えますが…。「右はポピュラーな形のドングリができるコナラ。昔から薪や炭として活用してきた木ですね。左はアベマキ。樹皮を触ってみてください」。あ、柔らかい! 「戦時中に海外からコルクが入ってこなくなった時、樹皮を粉末にして固めてコルクの代わりにして水筒の栓など使ったそうですよ」。確かに柔らかいけれど、よくこの木で代用できるなんて気が付いたものだなあ。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009131724j:plain児玉さんによると、この山の魅力は冷温帯に見られるブナと暖温帯に見られるカシの仲間、そして中間温帯のモミの木が苦労せずに同時に見られるところなのだとか。しかも低い標高でブナの木が見られるのは珍しいそうで「植生的にも面白いんです」。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132213j:plain木のことを教えていただいたので面白くて上を見ながら歩いていると、児玉さんが地面を指し「ここだけ掃いたように枯れ葉がないでしょ。なんでだと思います?」。うーん、モグラの仕業? なんだろう…。「ここは鹿が寝床にした後です。地面を伝って物音や振動がすぐに感じられるように地面に直にお腹を付けて寝るんですよ」。鹿ってこうやって寝るんですね。

 

f:id:kyotoside_writer:20201013132636j:plainあら、このぼこぼこした木はなんでしょう? 「これはカラスザンショウですね。若い時は木肌がトゲトゲしているのですが、年を取るにつれて丸味おびてきます」。あら、なんだか人間みたい。「アゲハ蝶の仲間がこの花の蜜が好きなんですよね。そうそう、ハチミツにするとスパイシーで美味しいのだそうですよ」。スパイシーな蜂蜜! 食べてみたい~。

京都府北部唯一の国宝建造物へ

f:id:kyotoside_writer:20201009132338j:plainすると突然、木立の中に朱塗りの建物が! あまりの鮮やかさにびっくりしていたら、目の前を鹿が横切って行き、あまりの幻想的な風景にしばし立ちつくしてしましました。こんなことってあるんですね。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132628j:plainこの美しい朱塗りの建物は宝治二(1248)年に建てられた京都府北部唯一の国宝建造物・光明寺二王門。平成30(2018)年に約3年かけて行われた修復工事が完了し、美しく生まれ変わりました。建物は入母屋造の二重門で、屋根は全国的にも珍しい栗の栩葺(とちぶき)。少し落ち着いた朱色は修復時に成分分析をして当時の色を作成。約750年前の創建時の色に戻りました。

 

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どこかかわいいお顔の二王様。ちょっとベビーフェイス?

門の左右に安置された二王様は慶派(仏師の一派)の作です。

 

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秋は紅葉がきれい

光明寺は推古天皇の時代に聖徳太子が創建し、その後、醍醐寺開祖 聖宝理源大師が真言道場の地として中興しました。平安から鎌倉時代の最盛期には山上山下に72坊もの寺院を有した一大聖地だったのだとか。それが戦乱や明智光秀らの焼き討ちにあい本堂や諸堂は消失。この二王門は諸堂から離れていたため今日まで残ったのだそうです。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132816j:plain二王門をくぐり、さらに山道を歩いていきます。途中、左右にいくつか平地があり、いくつもの坊(大きなお寺の付属する小さな寺院)が立ち並んでいたことが伺えます。しばらく歩くと階段が見えてきました。階段の手前には公衆トイレがあります。ここから先はトイレがないので、こちらで行っておくのがオススメ。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132911j:plain煩悩の数と同じ108段の階段を上って天保7年(1836)創建の本堂に到着。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132819j:plain見事な彫刻は丹波・丹後一円で活躍した彫氏・中井権次一統の手によるもの。特に龍の彫刻が素晴らしいことでも知られているので必見です。

 

綾部の里の味をお弁当で堪能

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さーて、お待ちかねのランチタイム! お腹がすきました。お弁当はお寺の境内でいただくことに。ここからの眺めも素晴らしい!

 

f:id:kyotoside_writer:20201009132945j:plain今日のお弁当は、「あやべ温泉弁当」500円。地鶏の唐揚げと卵焼き、綾部のおいしいお米で炊いたご飯が入っています。あんまり量が多いとこの後、歩くのにお腹が重くなってしまうので、これはちょうどよい量でした。

モミとスギの巨木林を歩く

f:id:kyotoside_writer:20201009133107j:plainご飯を食べて休憩をしたら、お堂の右側から再び山へ入っていきます。ここは、モミとスギの巨木が群生する林。「モミの木は匂いを吸い取ってくれるので寿司桶に使ったりされてきたそうです。それに環境汚染に弱くて、どこにでも生えているわけじゃないんですよ。」と児玉さん。ちなみにモミの木とはいってもクリスマスツリーのそれとは違う、我が国固有の種の木なんだそうです。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009133116j:plain大きい~! このモミの木は、幹回りの太さ5.95m。その太さは全国レベルで誇れる大きさなんですって。

 

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f:id:kyotoside_writer:20201009133200j:plainこの辺りは木の根っこが面白いのでぜひチェック! これはまるで宇宙人みたい。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009133218j:plainさて、モミの林を抜け山の尾根へ。ここは草が全くないですけれど除草しているんですか?「これ、鹿がみんな草を食べちゃったんです」。きれいな道だと思ったらそうじゃなかったんですね。「鹿が食べないアセビやシキビなどを残して、ほとんど食べちゃうんです。そして地面を見てください。メタリックな虫がいるでしょ。これはオオセンチコガネといって鹿の糞を集める糞虫ですよ」。鹿が増えると、こういう風に植生や生態系が変わっていくんですね。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009133258j:plainさあ、もうひと踏ん張り! ここから大トチの木をめざすのですが、最後に道が細く険しくなるので足元に注意が必要。

 

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約20分ほど歩き、最後に急斜面を降りて行った先、カツラの木の向こうに目指す大トチが現れました。推定樹齢2000年の天然記念物。中は空洞になってしまっていますが春にはちゃんと花を咲かせるのだそうです。あまりの存在感に圧倒…。神聖な空気を感じます。「かつてはしめ縄を張ってお祀りをしていたみたいですね」と児玉さん。

 

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f:id:kyotoside_writer:20201009133342j:plain幹の太さは10.4m。木から様々な草木が育っています。いつまでもここに立っていたくなる美しさ。木に触れていると元気がよみがえってくるよう。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009133408j:plain帰りは少しだけ車道も通ります。途中、光明寺横の駐車場近くから見た景色。眼下にあやべ温泉が見えますよ。

美人の湯でトレッキングの疲れをいやす

f:id:kyotoside_writer:20201009133410j:plainさて、あやべ温泉に戻ってきました。日帰り入浴もできるので、「美人の湯」と誉れ高いあやべ温泉に入って疲れをいやすのもおすすめ。もちろん宿泊も可能です。

 

f:id:kyotoside_writer:20201009133412j:plainそしてお土産に温泉の売店で「二王門カレー」をゲット。京都市にある老舗店・モリタ屋の特選肉を使った赤カレー770円と地元・上林鶏を使った黄カレー440円の2種類ありました。

普段、山歩きは全くしない私ですが、とても充実した楽しいトレッキングでした。なにより山の空気を吸って元気満点!綾部市観光協会のHPから地図がダウンロードできるので自分で歩くこともできますが、可能ならガイドさんと一緒に歩くのが断然おすすめ。トレッキングが100倍楽しくなります! ガイドさんのご依頼は綾部市観光協会さんへ申し込んでくださいね。

また、秋はちょっと肌寒いのでウィンドブレーカーを持っていくのがおすすめ。靴は底が厚くて滑らないスニーカーで大丈夫ですが、もしお持ちなら最後、少し足場が悪いのでトレッキングシューズがいいかもしれません。みなさまも、ぜひ、綾部の森の空気を感じ、トチの巨木を見に出かけてみてくださいね。

 

綾部市観光協会

京都府綾部市駅前通り東石ヶ坪11番地の4
TEL 0773-42-9550

あやべ温泉

京都府綾部市睦寄町在ノ向10
TEL0773-55-0262
FAX0773-55-0089

 

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