あなたの「いいね」で「和」を世界へ

悪しく美しく愛おしい……京都に伝わる鬼の伝承【福知山市・宮津市・京都市】

f:id:kyotoside_writer:20210122121710j:plain

今年は124年ぶりに2月2日が節分になる珍しい年です。
京都には各地にさまざまな鬼の伝説が残っています。人々を苦しませる悪鬼から、人を惑わす鬼、人間味あふれる鬼などもりだくさん!
今回は節分には欠かせない「鬼」のお話をご紹介します。

大江山に伝承する3つの鬼伝説

酒天童子伝説

f:id:kyotoside_writer:20210127175450j:plain

京都の鬼伝説と言えば、福知山市の「大江山の鬼伝説」が、最も有名な話かもしれません。
大江山の鬼伝説は3つあり、その中でも「酒呑童子の鬼伝説」は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。この物語は、最も古いもので14世紀の南北朝時代に描かれた『香取本大江山絵詞』(重文)に記されています。では、さっそく酒呑童子のお話を見ていきましょう。

f:id:kyotoside_writer:20210127175606j:plain

平安時代、有名な陰陽師・安倍晴明の占いで『西山に妖鬼住み、王法を倒そうとしている』と出ます。その妖鬼とは、大江山に立てこもる賊の頭領・酒呑童子!
源頼光、坂田公時、渡辺綱ら6名が酒呑童子討伐隊として選ばれ、彼らは山伏の姿に変装し、鬼の住む屋敷へと向かいます。山伏の姿をした6人を見て、酒呑童子は修験者だと思い、彼らを歓迎するために宴を開きました。
討伐隊は、道中で住吉・八幡・熊野の神々から授かった酒「神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)で鬼たちを酔わせ、眠らせます。その隙に鬼たちを殲滅し、頼光は名刀・鬼切丸で酒呑童子の首を切り落としました。

まさに“鬼怪”!不思議な岩が密集する鬼の岩屋

f:id:kyotoside_writer:20210127175744j:plain
大江山・須津地区には「鬼の岩窟」(写真)、「鬼見の滝」、「鬼の足跡石」、「鬼の飛石」「鬼の石垣」という鬼が残したといわれる痕跡がいくつもあります。その総称を“鬼の岩屋”と呼び、そこは酒呑童子が寝床にしていたといわれています。(諸説あり)
大正末期頃「鬼の穴」の立て札が立てられて見物客で賑わった……という話も伝わっており、なにやら某鬼退治漫画を彷彿とさせる話ですね。
道中は決して楽な道ではありませんが、トレッキングコースにもなっているそうです。“鬼めぐり”と称して歩いてみてはいかがでしょう?

宮津市の鬼の岩屋について詳しくはこちらの記事もチェック!↓

大江山最古の鬼伝説・日子坐王伝説

f:id:kyotoside_writer:20210127175906j:plain

続いては日子坐王(ひこいますのきみ)伝説です。こちらは『丹後風土記残缺』(8世紀)に収められた、大江山に伝わるもっとも古い伝説です。
青葉山(舞鶴市〜福井県高浜町)に、陸耳御笠(くがみみのみかさ)という土蜘蛛がおり、人々を苦しめていました。崇神天皇の弟であった日子坐王(ひこいますのきみ)は、朝廷から土蜘蛛討伐の勅命を受けて、由良川筋で激しく闘います。日子坐王率いる軍勢にひるんだ土蜘蛛は、与謝の大山(大江山)に逃げ込んだ…というお話です。

3匹の悪鬼を祓う麻呂子親王伝説

f:id:kyotoside_writer:20210127180018j:plain

3つ目は、聖徳太子の弟にあたる麻呂子親王(まろこしんのう)による鬼退治の伝説です。
大江山の古名・三上ヶ嶽に巣食う、人々を苦しめる悪鬼(英胡・軽足・土熊)を討伐せよとの勅命を受けた麻呂子親王。兵を率いて向かう道中、死んだ馬が生き返ったり、頭に明鏡をつけた白犬を献上されるなど、神仏の加護を受けて進みます。鬼の洞窟にたどり着き、鬼たちを退治しますが、土熊を見失ってしまいます。犬の明鏡を照らして土熊の居場所を突き止め、見事岸壁に封じ込めた…というお話です。

大江山の鬼伝説や節分、日本の鬼の交流博物館についてはこちらから↓

www.kyotoside.jp

人間にあこがれた鬼の夫婦

国分寺の鬼伝説

f:id:kyotoside_writer:20210127180116j:plain

国分寺境内

宮津市・天橋立を臨む高台に鎮座する国分寺では、少し変わった鬼の物語が伝わっています。では「国分寺の鬼伝説」を見ていきましょう。

鎌倉時代、国分寺に老夫婦がやって来て、宣基(せんき)上人に“仏道を修めるために来た、どうかここで働かせて欲しい”と申し出ました。上人は喜んで迎え入れ、二人は大変よく働きましたが、ある日、夫婦は自分たちが人間ではないこと、しかし仏の道を修めたくて人間の世界にやってきたことを上人に伝えます。
上人は夫婦に本当の姿を見せてみてほしいと伝えると、“自分の姿は大変醜いので見せるのは恥ずかしいが……待っていて欲しい”と奥の部屋に入っていきました。待っていると大きな叫び声があがり、上人がこっそり覗くと、すでに夫婦の姿はなく、そこには頭に角を生やした鬼の面が2つ残っていたそうです。夫婦は互いの姿を面に刻み、形見として上人に残したのだと伝わっています。

f:id:kyotoside_writer:20210127180227j:plain

提供:京都府立丹後郷土資料館

この鬼の夫婦は人間になりたくてこのお寺に来たのですね。
宮津市にある京都府立丹後郷土資料館には、この物語に登場する鬼の面が寄託されています。他の鬼の面や絵と比べても、少し穏やかに見えますね。また、国分寺では今でも毎年節分の日にこの鬼を供養する意味も込めて護摩焚きが行われ、周辺の地域には、節分の豆まきの際に「鬼はうち、福もうち」と掛け声を掛ける家や、豆まきをしない家があるのだそうです。

国分寺の鬼伝説について詳しくはこちらの記事もチェック!↓

闇夜から手招く美しい鬼

宴の松原

f:id:kyotoside_writer:20210127180330j:plain

現在、住宅地の一角に石碑が建てられています。

京都市上京区、JR円町駅の近くに「宴(えん)の松原」と呼ばれる場所があります。
平安時代中期、大内裏の武徳殿の東に広がる松林をそのように呼んでいました。この「宴の松原」を舞台にした怪奇伝承をお話します。

月の明るい夜、3人の若い女が宴の松原を通りかかると、松林から美しい男が現れました。男は1人の女を誘って松林の中へ消えていき、残された2人の女たちは帰りを待っていましたが、一向に戻ってくる気配がありません。怪しく思った女たちが松林へ入っていくと、女の手足がバラバラになって落ちているのを発見しました。あの美しい男は鬼で、女を喰らっていつの間にか消えていた…というお話で、この話は『今昔物語』などに記されています。

府内各地に伝わる鬼伝説のご紹介でした。
今年は大きな行事などがなく、静かな節分となりそうです。古来より伝わる鬼の物語に思いを馳せながら、心静かに過ごしましょう。

■■監修■■

日本の鬼の交流博物館(大江山の鬼伝説/宴の松原)

京都府立丹後郷土資料館/国分寺(国分寺の鬼伝説)

宮津市吉津地区公民館(鬼の岩屋)

 

■■2021節分・福知山の鬼イベント情報■■

オンラインイベント・鬼鬼祭 開催!!

f:id:kyotoside_writer:20210131121032j:plain

大江山鬼伝説のまち・福知山では2月2日を「鬼鬼(おにおに)の日」とし、この日から2月中、参加型のオンラインイベント・鬼鬼祭を開催します!
コンセプトは「節分で追い出された鬼たちよ、集まれ!」として、鬼伝説のまち福知山では鬼を歓迎するような10の企画を福知山市公式Twitter、Instagramで行います。

「鬼鬼クイズ」「おうちで鬼博」「鬼鬼大喜利」など、福知山市役所の若手職員たちが仕掛けるオンライン参加型企画では特別な鬼グッズも当たるそうですよ!

緊急事態宣言下で行われるオンライン鬼イベント、興味のある方はぜひご参加くださいね^^

詳しくは……
福知山市公式ホームページ
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/promotion/onioni.html

期間:2021年2月2日(鬼鬼の日)~2月28日まで ※順次開始
福知山市公式Twitter https://www.twitter.com/fukuchiyamaPR
福知山市公式Instagram https://www.instagram.com/fukuchiyama_city/

 

 

知られざる「京都」の魅力を、京都を愛するみなさんのチカラでもっと広めていきたい。KYOTO SIDEは、京都府が持つ独自の魅力や情報をグローバルに発信し、共有していくファンコミュニティサイトです。

Copyright © KYOTO SIDE. All Rights Reserved

PICK

いいね!してkyotosideの更新情報を受け取ろう!