日本の文化と伝統を象徴する菊の花。奈良時代に中国から日本に伝わり、鎌倉時代には衣裳の文様として流行。江戸時代に入ると盛んに品種改良されるようになりました。大菊、中菊、小菊など大きさに分類できるだけでなく、和菊や洋菊など種類も様々です。
また漢字の通り秋の風情を感じさせる秋明菊(シュウメイギク)は、「菊」という名前がついていますが、実はキク科ではなくアネモネ科ということをご存じでしょうか。別名「貴船菊(キブネギク)」といい、京都・北山の貴船周辺で多く観られたことに由来するそうです。
今回はそんな菊や秋明菊を楽しめるスポットやイベントをご紹介します。
植物園で楽しむ、菊で感じる秋
【京都市左京区】京都府立植物園 菊花展
10月20日(木)~11月15日(火)
京都市内ですぐに行ける自然あふれるエリアといえば、京都府立植物園です。大芝生地の特設展示場にて10月20日から開催予定の菊花展では、大菊、小菊、古典菊など、多種多様な品種の菊が約300鉢も展示されます。
展示品を見るだけでなく、苗や鉢物を購入することも可能なので、気に入った菊を探してみてはいかがでしょうか。
また、小菊が滝のように流れ落ちる「懸崖作り」や、重厚感のある「小菊盆栽」、菊で動物などを表現した菊トピアリーなども展示予定です。赤や黄、白などいろいろな色の菊を見て楽しむことができそうですね。
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京都府立植物園 菊花展
会期:2022年10月20日(木)~11月15日(火)
時間:9:00〜17:00(入園は16:00まで)
会場:京都府立植物園
住所:京都市左京区下鴨半木町
問い合わせ:075-701-0141(京都府立植物園)
時間:9:00〜17:00(入園は16:00まで)
料金:一般200円、高校生150円、中学生以下無料。70歳以上の方(要証明書)、障害者手帳等持参の方は無料(介護者を含む)
アクセス:京都市営地下鉄北山駅下車3番出口すぐ又は北大路駅下車3番出口を東へ徒歩約10分
駐車場:あり(普通最大150台)、300円/時間(上限1200円)
大菊やダルマ菊、盆栽菊…。多彩な菊に彩られた「お西さん」秋の恒例行事
【京都市下京区】西本願寺 献菊展
10月17日(月)~11月23日(水)
浄土真宗本願寺派の本山で世界文化遺産に登録されている西本願寺。京都では「お西さん」の名前で親しまれている寺院で、第69回本願寺献菊展が開かれます。
本願寺献菊展は、「全国門徒総追悼法要(秋の法要)」に献花(阿弥陀如来へのお花のお供え)される菊花をもって開催。京都菊栄会のメンバーのみなさんが大切に育てた花を、つぼみの状態から展示する予定。見頃は10月下旬頃からになるそうです。
境内では、大菊十二鉢などの花壇をはじめ、嵯峨菊、ダルマ菊、福助菊、盆栽菊、ドーム菊、扇形懸崖菊など、合わせて約350鉢の菊が献花され、訪れた参拝者の目を楽しませてくれます。また開催期間中の11月7日~11月12日までは、お茶所で切花の展示約50鉢も合わせて開かれます。
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西本願寺 献菊展
会期:2022年10月17日(月)~11月23日(水)
時間:5:30~17:00
会場:西本願寺白州境内地、お茶所
住所:京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町
問い合わせ:075-371-5181(西本願寺)
料金:無料
アクセス:市バス西本願寺前から徒歩すぐ
嵯峨天皇が愛でた嵯峨野古来の野菊を鑑賞
【京都市右京区】旧嵯峨御所 大本山大覚寺 嵯峨菊展
11月1日(火)~11月30日(金)
京都・嵯峨に佇む旧嵯峨御所 大本山大覚寺は約1200年の歴史を誇る寺院。弘法大師空海を宗祖と仰ぐ真言宗大覚寺派の本山で、嵯峨天皇の離宮を寺院に改めた皇室ゆかりの寺院でもあります。
同寺で毎年11月に開催される嵯峨菊展は、嵯峨天皇の御代、大沢池の菊ヶ島に自生していた嵯峨野独特の野菊・嵯峨菊を展示する催しです。嵯峨天皇がその気品ある姿と香りを好まれ、永年にわたって王朝の感覚を持って育成し、ひとつの型に仕立て上げられた風情と気品を兼ね備えた「門外不出」の菊。一鉢に三本仕立てとし、殿上から鑑賞できるようなんと約2mまで成長するのだとか。
花は、下部に七輪、中程に五輪、先端に三輪が咲く「七五三」。葉は下部を黄色、中程を緑、先端を淡緑と、こちらは四季を美しく表現。淡い色の花々が色とりどりに美を競い、辺りは格調高い香りに包まれます。
嵯峨菊展では、そんな様々な風情に満ちた嵯峨菊を境内で一般公開。11月1日~30日の期間、開催される予定です。
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旧嵯峨御所 大本山大覚寺 嵯峨菊展
会期:2022年11月1日(火)~11月30日(金)
展示時間:9:00~17:00(受付は16:30まで)※11月30日(金)のみ9:00~15:00
会場:旧嵯峨御所 大本山大覚寺 お堂エリア
住所:京都市右京区嵯峨大沢町4
料金:大人500円・小中高生300円(お堂エリア参拝料含む)※大沢池エリアは別途要参拝料
問い合わせ:075-871-0071(旧嵯峨御所 大本山大覚寺)
アクセス:市バス大覚寺から徒歩すぐ、JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅から徒歩20分、嵐電嵐山駅から徒歩25分
子どもと楽しめるお出かけスポットで楽しむ菊
【京丹波町】京都府立丹波自然運動公園 菊花展
2022年10月22日(土)~2021年11月13日(日) ※開花の状況により変更あり
京都府立丹波自然運動公園では、菊花展が10月22日(土)より開催されます。展示場中央にそびえたつ五重の塔は、秋の公園の風物詩。他にも懸崖菊や大菊、だるま、福助など様々な種類の菊が楽しめます。今年も写真映えする特別ブースもあり、画像のような素敵な光景を見ることもできそうです。
同時に、地域の愛好家や地元の小学校・中学校・高校の方々が日頃から丹精こめて栽培された菊の展示も、中央広場にて開催されています。丹波自然運動公園は花だけでなく、アスレチックやピクニックも楽しめるので、子どもを連れても遊びに行けるお出かけスポットです。
京都府立丹波自然公園を取材した記事はこちら▼
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京都府立丹波自然運動公園 菊花展
会期:2022年10月22日(土)~2021年11月13日(日) ※開花の状況により変更あり
時間:9:00~17:00
住所:船井郡京丹波町曽根崩下代110番地7
料金:無料
問い合わせ:0771-82-0300(京都府立丹波自然運動公園)
アクセス:京都市内から約60分、京都縦貫自動車道丹波I.C.から車で約5分
駐車場:あり
菊人形展の伝統を引き継ぐ菊花展
【綾部市】綾部市菊花展
11月3日(木・祝)~11月6日(日)
京都府中部に位置する綾部市。こちらでは、今年で第29回目を迎える綾部市菊花展があやべグンゼスクエア特産館前広場で開催されます。
かつて綾部市では戦後から昭和38年まで「あやべ菊人形展」が開かれ、近畿一円から十数万人の来場者があったといわれています。その伝統を引き継いで開催されている同展では、綾部市菊花会をはじめ市内外のみなさんが丹精込めて育てた菊の作品や今年話題の人物や出来事をモチーフに制作した菊人形が並びます。
これまでにレスリングで活躍した吉田沙保里さんや世界的テニスプレイヤーとなった大坂なおみさんなどの菊人形も展示。今年はいったいどんな菊人形が展示されるか楽しみですね。
また会場では、シルバー人材センターの会員手作りの野菜やアツアツの焼き芋などの販売も予定とのこと。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
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綾部市菊花展
会期:2022年11月3日(木・祝)~11月6日(日)
展示時間:9:00~17:00(最終日のみ16:00まで)
会場:あやべグンゼスクエア
住所:綾部市青野町亀無1番地の2
料金:入場無料
アクセス:JR山陰本線綾部駅北口から徒歩約10分、南口からあやバスであやべグンゼスクエア前下車徒歩すぐ、舞鶴若狭自動車道綾部I.C.から車で約5分、京都縦貫自動車道綾部安国寺I.C.から車で約10分、京丹わちI.C.から車で約20分
問い合わせ:0773-42-9030(綾部市シルバー人材センター)
半世紀以上続く歴史ある菊花展示会
【亀岡市】亀岡市菊花展示会
10月29日(土)~11月4日(金)
10月29日(土)~11月4日(金)にかけて亀岡市のガレリアかめおか1階ロビーギャラリーで開かれる亀岡市菊花展示会。今年で51回目を数える歴史ある菊花展示会で、菊花愛好家のみなさんが丹精込めて育て上げた作品が一堂に会します。
展示会では「9鉢花壇の部」や「3鉢花壇の部」、「福助の部」、「盆栽菊の部」、「単鉢の部」に加え、「初心者の部」も設けられ、美しい菊花が訪れた人を楽しませます。
また展示された菊花は各部門審査が行われ、最終日の11月4日(日)には授賞式が行われます。秋の亀岡観光とセットで訪れてみてはいかがでしょうか。
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亀岡市菊花展示会
会期:2022年10月29日(土)~11月4日(金)
時間:9:00~17:00(最終日は12:00まで)
会場:ガレリアかめおか1階ロビーギャラリー
住所:亀岡市余部町宝久保1-1
アクセス:京阪京都交通バスガレリアかめおかから徒歩すぐ、JR亀岡駅から徒歩約20分、京都縦貫自動車道亀岡I.C.から車で約3分
料金:無料
駐車場:あり
問い合わせ:0771-23-2289(亀岡市菊花愛好会事務局<公益財団法人亀岡市都市緑花協会内>)
ノギクと大菊の三本仕立て
【宇治市】宇治市植物公園 菊花展
10月20日(木)~11月13日(日)
宇治市植物公園内の秋エリアには、約30種類のノギクが植栽されています。紅葉や菊の展示を一緒に楽しめるので、秋を感じられること間違いなし。
花の直径が18センチ以上の大菊の「三本仕立て」の展示も行われます。
三本仕立てとは、大菊の最も基本的な仕立て方で、三つの花を同時に、同じ大きさに揃えて、花・茎・葉の調和を楽しむもので「盆養」ともいわれています。
ほかにも、「福助」など菊花が展示され、訪れた人の心を癒やしています。
また宇治市植物公園の菊花展では、一般公募による作品の展示で愛好家が技を競う「菊花コンテスト」も行われていますよ。菊は異なる品種を組み合わせて背丈を揃えたり、花壇を作ったり、地域独特の仕立て方があるなど、知れば知るほど深みにはまる花です。様々な技あり菊を見に行くのも面白そうですね。
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宇治市植物公園 菊花展
会期:2022年10月20日(木)~11月13日(日)
時間:9:00~17:00(入園は16:00まで)
休業日:月曜(祝日の場合は翌日が休園日となります)
料金:大人600円・小人300円(15歳未満)・幼児無料
アクセス:京都京阪バス植物公園バス停から徒歩すぐ
駐車場:あり(普通車200台)
問い合わせ:0774-39-9387(宇治市植物公園)
三重塔をバックに可憐に咲く秋明菊
【木津川市】岩船寺
見頃:2021年9月下旬~2021年10月下旬
本堂前には秋明菊が可憐に咲いています。秋明菊の花びらに見えるのは実は“がく”で、多いもので20枚ほどつくそうです。しなやかで可憐な印象とは裏腹に、寒さに強く家でも育てやすい花のひとつだとか。
秋明菊のバックに見える三重塔が、何倍にも増して神秘的に見える景色。三重塔は重要文化財にも指定されています。紫陽花の名所としても有名な岩船寺では、四季を通して様々な花が楽しめます。
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高雄山 岩船寺
住所:京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
TEL:0774-76-3390
時間:3月~11月8:30~17:00(受付は16:45まで)/12月~2月9:00~16:00(受付は15:45まで)
休業日:年中無休
料金:大人500円、中高生400円、小学生200円
アクセス:JR 関西本線(大和路線)加茂駅から木津川市コミュニティバス(加茂山の家行き)で約16分、「岩船寺」下車すぐ
駐車場:あり
【ミニコラム】向日市で栽培される懸崖菊(けんがいぎく)
懸崖菊(けんがいぎく)は、江戸時代末期、断崖に垂れ下がる老松をイメージし作られたのが始まり。向日市では大正時代より栽培されていました。昭和50年頃には懸崖菊の一大産地となった向日市ですが、現在は需要の減少や高齢化などにより生産者は激減しています。しかし、これまで質の良い懸崖菊を生み出してきた向日市の懸崖菊はいまなお人気で、様々なところに出荷されています。一般家庭でも飾れる小型の仕立ものも人気です。
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清水園芸(向日市の懸崖菊)
向日市森本町上森本15
TEL:090-8797-2366
9:00~18:00