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【祇園祭のヒミツ2】〜祭を彩るモノ・コトに注目~

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7月に入り、京都市内中心部では日本三大祭りのひとつ「祇園祭」が始まりました。祇園祭とは、平安時代前期の貞観11(869)年に全国で流行した疫病を鎮めるため、神泉苑(※)に当時の国の数にちなんだ66本の矛を立て、祇園の神を迎え厄災の除去を祈願したことに由来しています。祭のハイライトでもある山鉾巡行は、雅やかでありながら迫力があり見応えがありますよね。ですが、祇園祭にはまだまだ知られざる魅力がたくさんあります。今回はそんな祇園祭を彩る花や音楽、風習に注目してみました。知っておくとさらに祇園祭を楽しめますよ♪
(※)天皇のために造営された庭園。平安京最古の史跡で、現在二条城の近くにあります。

「ヒオウギ」が「祇園祭の花」といわれる理由は何?

長江家住宅の屏風祭/画像提供:株式会社 新潮社

祇園祭の時期になると、京都のお店や家に飾られる特別な花があります。その名も「ヒオウギ」という植物。厚みのある剣状の葉の形が平安時代の「檜扇(ひおうぎ:檜でできた扇)」に似ていることから名付けられたこの植物は、古くより縁起物・魔除けの花として重宝されてきました。このことから、疫病を鎮めるために始まった祇園祭では邪気払いに欠かせない花として用いられています。

画像提供:宮津市役所

実はこのヒオウギ、全国的に生産数が少なく、京都府内でも生産されているのは北部に位置する宮津市だけなんです。ヒオウギは1日しか花が咲かないことから、メインは大きな“葉”にあるのだとか。葉の部分が長く大きい“反り”があるものが良質なヒオウギとされているそうです。
ヒオウギは、後述する屏風祭の会場などでも見ることができるので、見つけた時は、ぜひ近くで「祇園祭の花」を鑑賞してみてくださいね。

ヒオウギについて詳しくはこちらの記事を読んでみてください▼
https://miyazu-city.note.jp/n/n08191564c6f8

山鉾だけじゃない!知られざるお宝を見に行こう「屏風祭」

長江家住宅の屏風祭/画像提供:株式会社 フージャースホールディングス

祇園祭の宵山の時期(前祭:14日~16日/後祭:21日~23日)、山鉾町にある旧家や老舗が所蔵している美術品や調度品などを公開する「屏風祭」が行われます。
屏風祭は祇園祭の公式行事ではなく個人宅や会社が個々に行なっており、所蔵する美術品や調度品などが飾られ、祭り見物に来た人たちが通りから鑑賞できるようになっています。なかには表の格子戸が外されている家もあり、京町家の伝統的な「うなぎの寝床」と称される奥に長い構造を実感することができますよ。

長江家住宅の屏風祭/画像提供:株式会社 フージャースホールディングス

屏風祭の習俗は江戸中期頃に華やかな祇園祭を個々の家でも盛り立てるよう、家の宝物を飾って楽しんだのが始まりといわれており、屏風を中心とした宝物が多く飾られていたことから「屏風祭」と呼ばれるようになりました。近年では「屏風祭」をしつらえる家も少なくなりましたが、もっとも隆盛を極めた時代では前祭と後祭を合わせて300軒近くの家々で行われていたといわれています。

個人宅で行われているものは外からの鑑賞になりますが、一部有料で公開されているお宅では風情ある京町家にお邪魔して秘蔵の宝物を近くで見学することができます。
公開されるお宅の一つとして、京都市指定有形文化財に指定されている長江家住宅では、7月14〜16日に「屏風祭」が開催されます。今年は「植物」をテーマに屏風や漆器のほか、掛け軸、扁額、昭和初期頃の映像資料等が展示されます。ぜひこの機会に風情ある京町家の「屏風祭」を鑑賞してみてくださいね。

山鉾で奏でる音楽「祇園囃子」

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コンチキチン♪の鉦(かね)の音色が特徴的な「祇園囃子(ぎおんばやし)」。7月に入ると京の町にはお囃子が流れ、お祭り気分を高めてくれます。この祇園囃子、実は全ての山鉾で奏でられるのではなく、全部で34ある山鉾のうち、お囃子を奏でる「囃子方(はやしかた)」が存在する14の山鉾で演奏されています。

祇園囃子で使われる楽器は、リズムを刻む鉦(写真)・メロディーを奏でる笛(能菅)・テンポをとって全体を統制する太鼓(締め太鼓)の3種類から構成されています。山鉾によって伝わっている曲は異なるのですが、大きく分けると山鉾巡行の際に出発から四条河原町までの間に奏でられる優雅な雰囲気の「渡り囃子」と、その後に四条河原町で鉾が北へ向きを変えると奏でられる軽快な「戻り囃子」の2種類があります。
今年はそれぞれの山鉾で奏でられる「祇園囃子」にも耳を傾けて、違いを感じてみてください。

こちらもチェック!祇園祭のヒミツ1(お稚児さんについて)の記事はこちらから▼
https://www.kyotoside.jp/entry/20170714/

■■INFORMATION■■

京都市指定有形文化財
長江家住宅
屏風祭:2023年7月14日(金)・15日(土)・16日(日)
時間:14日(金)10:00~20:00/15日(土)・16日(日)10:00~19:00
料金:お一人様1,000円(小・中学生は300円)※ポストカード付き
所在地:京都市下京区綾小路下ル船鉾町394
電話:075-353-7511
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線 四条駅、または阪急京都線 烏丸駅より徒歩約5分
http://www.nagaeke.jp/

■■記事監修■■
公益財団法人祇園祭山鉾連合会
http://www.gionmatsuri.or.jp

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