
歴史と文化に彩られた京都。南北に長く広がる府内には、地域ごとに育まれた味わいがあります。今回は、そんな京都の食文化を象徴するご当地グルメの大定番をご紹介します!
※記事中の情報はすべて2026年3月時点のものです。

【海の京都エリア】丹後ばら寿司
「ハレの日」に欠かせない丹後地方ならではの郷土料理

海の京都フォトギャラリー
丹後ばら寿司は一般的なちらし寿司に似た、丹後地方に古くから伝わる郷土料理です。お正月やお祭りなど「ハレの日」に欠かせないご馳走として、代々各家庭で受け継がれてきました。
かつて丹後で豊富に水揚げされていたサバを具材に使い、甘辛く味付けした「サバのおぼろ」を用いるのが大きな特徴。“まつぶた”と呼ばれる木箱にすし飯を敷き、その上にサバのおぼろと干瓢をちらし、さらにすし飯を重ね、一番上には、サバのおぼろや錦糸卵、たけのこ、椎茸、かまぼこ、青豆、生姜などが盛り付けられます。
カラフルで華やかな見た目も美しい、丹後ならではのお寿司です。
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【宮津市】カレー焼きそば
宮津市民が愛するソウルヌードル

画像提供:左上)中国料理豚珍館、右上)お食事処糸仲、右下)酒房たむら、左下HAMAKAZE Cafe
宮津市民のソウルヌードルと称されるカレー焼きそば。その誕生は、戦後復興期に平和軒の店主である中華料理人・王(わん)さんが“カレー味の焼きそばで街の人を元気づけたい”と考案したのが始まりといわれています。
ひと口にカレー焼きそばといっても、その味わいはバラエティー豊か! スープたっぷりのつゆだくからドライタイプまで、店ごとの個性が感じられるのも魅力のひとつ。焼きそばのようでいて、どこかラーメンにも似た不思議な美味しさは宮津市民の心を惹きつけ、今では食べ歩きMAPがあるほどの人気ぶりです。
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【舞鶴市】 まいづる肉じゃが
旧日本海軍のレシピを再現した肉じゃがの元祖

おふくろの味の代表格ともいえる「肉じゃが」。その発祥の地といわれるのが、日本海側で唯一、海上自衛隊基地がある舞鶴市です。(※発祥の地には諸説あります)
1901(明治34)年、旧日本海軍の「舞鶴鎮守府」が開庁した際に初代司令長官として赴任した東郷平八郎が、イギリス留学中に味わったビーフシチューの味が忘れられず、舞鶴鎮守府の料理長に再現を命じたことが始まり…と現地には伝わってます。赤ワインなどが手に入らない時代に、醤油や砂糖で味付けを工夫して生まれたのが、当時「甘(あま)煮」と呼ばれていた肉じゃがでした。その後、家庭料理として全国に広まり、旧日本海軍のレシピが残る舞鶴では、このレシピを再現したまいづる肉じゃががご当地グルメとして親しまれています。
【福知山市】鬼そば
鬼伝説と結びついた「こわいきそば」

画像提供:大江山 鬼そば屋
大江山の鬼伝説が今も語り継がれる福知山市。この地で親しまれているご当地グルメが、“鬼”にちなんだ鬼そばです。その発祥の地とされているのが、雲原地区にある「大江山 鬼そば屋」。
かつて、大名や今上天皇に献上されたこともある鬼そばは、手打ちで挽きぐるみの十割そば。さらに極々太であることから、「こわい生(き)そば」と呼ばれていました。“こわい” とは方言で「硬い」の意味。それを旅人が鬼伝説と結びつけ、「生(き)」を「鬼(き)」と勘違いして、いつしか「鬼そば」と呼ばれるようになったそうです。
大江山 鬼そば屋は、この“手打ち挽きぐるみ十割の鬼そば”の伝統を繋ぐ、唯一のお店なんですよ。
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【森の京都エリア】ぼたん鍋
京都の森が育んだ郷土料理

京都府のほぼ中央の豊かな森と里山に囲まれた“森の京都エリア”。ここは、良質な天然猪肉の産地として知られ、丹波地方の郷土料理・ぼたん鍋のメッカとしても親しまれています。
猪肉は、ビタミンや鉄分多く含む栄養価の高い食材で、高たんぱく・低脂肪・低カロリーなうえ、コラーゲンも豊富。そんな猪肉を薄切りにして大皿に美しく盛り付けた姿が牡丹の花のように見えることから、「ぼたん鍋」と呼ばれるようになりました。
味噌仕立てのスープでいただくことが多く、野菜をたっぷり入れて煮込むほどに肉の旨みが増します。猪肉は脂が少なく淡白な味が特徴ですが、噛むほどに味わい深く、旨みが染み出した濃厚なスープと一緒に食べると、体の芯から温まりますよ。
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【京都市】にしんそば
京都のそばを語る上で欠かせない「にしんそば」

画像提供:総本家にしんそば 松葉
温かいそばの上に、大きな身欠きニシンの甘露煮がのったにしんそばは、京都市を代表するご当地グルメのひとつ。
京都でニシンが根付いたのは、江戸時代に近江商人たちが松前藩との交易で、北海道産のニシンや昆布を運び商売をしていたことにあります。さらに京都では寺院での行事食としてそばが広まっていたことから、うどん文化の関西の中でもそば文化が浸透しており、この食文化に着目して「にしんそば」を考案したのが、1861(文久元)年創業の老舗・松葉(現:総本家にしんそば松葉)です。
甘辛く炊いたニシンの旨味とだしの効いたそばは京都の人々に喜ばれ、今では京都のそばを語る上で欠かせない逸品として親しまれています。
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【竹の里・乙訓】たけのこ料理
定番から意外性あふれるスイーツまで!たけのこの魅力が満載

画像提供:上段中央)小倉山荘ファームダイニングカフェ、下段左)ピエスモンテ・ヒロ、下段右)菓子処 喜久春
「竹取物語」の発祥地のひとつとされている竹の里・乙訓エリアは、全国有数のたけのこの名産地として知られています。“京のブランド産品”にも認定されている「京たけのこ」を含め、主に食用として出回っているのが、孟宗竹のたけのこ。この孟宗竹が日本で最初に根付いたとされる地が乙訓エリアといわれているんですよ。
天ぷらや筍ご飯といった定番料理はもちろん、たけのこの甘露煮を使った竹の子最中や、グラッセ入りのタケノコマカロンなど、意外性あふれるスイーツまで楽しめるのも名産地ならではの魅力です。
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【宇治市】抹茶料理
心ゆくまで堪能できる宇治ならではの抹茶料理

画像提供:京・宇治 抹茶料理 辰巳屋
宇治市は古くからお茶の名産地として知られ、日本の茶文化を支えてきた地。香り高い抹茶は茶道の世界だけでなく、スイーツや料理の素材としても幅広く親しまれています。
そんな抹茶を心ゆくまで堪能できるのが、1840年(天保11年)に茶問屋として創業した辰巳屋の抹茶料理です。一子相伝で代々受け継がれる「抹茶豆腐」をはじめ、店主が厳選した数種類の抹茶を使い分けた全9品のコースは、抹茶と食材の絶妙な組み合わせが口の中で広がり、抹茶の香りと味わいが引き立つ逸品ばかり。抹茶料理は予約必須なので、前日までに電話、またはHPから予約してくださいね。
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【八幡市】松花堂弁当
江戸初期の文人僧・松花堂昭乗の愛用品に着想を得たお弁当

画像提供:京都吉兆松花堂店
代表的なお弁当の一つとして知られる松花堂弁当(しょうかどうべんとう)。その由来は、江戸初期に活躍した石清水八幡宮の文人僧・松花堂昭乗(しょうかどう しょうじょう)が愛用した十字仕切りの「四つ切り箱」にあります。
当時、農家が種入れとして用いたものを、昭乗は煙草盆や絵の具箱として使用していました。昭和に入り八幡市の松花堂で行われた茶会に出席した料亭「吉兆」の創始者が、この箱に着想を得て、四つの区画に料理を盛り分ける弁当を考案したといわれています。
八幡市立松花堂庭園・美術館の敷地内にある「京都吉兆 松花堂店」では、この由緒ある松花堂弁当を実際にいただくことができますよ。
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【宇治田原町】 茶汁
忙しい日々の中で生まれた滋味深い一品

茶汁(ちゃじる)は、お茶の名産地ならではの素朴な食文化から生まれた宇治田原町の郷土食です。その歴史は古く、文化庁が選定する「100年フード」にも認定されています。
茶汁の起源は江戸時代まで遡り、茶農家の人々が農作業の合間に食べていた昼食がはじまりとされています。屋外でも手軽に食べられるよう、味噌玉を入れたお椀に、手近な畑で採れた青菜などを加え、熱いほうじ茶を注いで食していました。忙しい日々の中で生まれた、実用的で滋味深い一品なんですよ。
この伝統の味は、湯屋谷地区にある観光・交流拠点、宗円交遊庵やんたんで味わうことができますよ。
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