
お正月や結婚式、誕生日などお祝いの日に食べることが多い「お寿司」。今回は京都府内の名物お寿司をご紹介します。
各地域に伝わる伝統的なお寿司は、さまざまな工夫が凝らされていて個性派ぞろい。現地でいただけるものやお取り寄せできるものなどあるので、シチュエーションに合わせて食べてみてはいかがでしょう。
※記事中の情報・金額はすべて2025年11月時点・税込表記です。
ハレの日にいただく華やかなちらし寿司
【京丹後市】ばらずし

画像:海の京都フォトギャラリー
丹後地方の伝統食「ばらずし」は、焼き鯖のおぼろや干し椎茸、錦糸玉子、かまぼこ、紅ショウガ、季節の食材などを散らした華やかな見た目が特徴です。
ケーキのように四角にカットしたものがよく見られますが、一般的なちらし寿司のようにざっくり盛り付けたものや、桶に入ったものなど、その形はお店や家々によってさまざまです。

名前の由来には諸説ありますが、具材を寿司飯の上にバラバラと散らすから「ばらずし」と呼ばれるようになったとか。お正月をはじめ、結婚式やお祭り、誕生日など、お祝いの席には欠かせない郷土料理です。
海の京都エリアで提供されているお店はこちらからチェック。ランチやお土産として立ち寄ってみてはいかがでしょう。
■■INFORMATION■■
ばらずし
記事協力:海の京都DMO
久美浜町に伝わる冬の逸品
【京丹後市】このしろ寿司

冬の冷え込みとともに旬を迎える高級魚「コノシロ」のお腹に、炒ったおからや麻の実(おのみ)、柚子の皮を詰めた「このしろ寿司」。京丹後市久美浜町に伝わるこのお寿司は、ハレの席に供される料理としても珍重されていて、「この城(このしろ)を守る」という意味を込めて結婚式の席にも出されていたそうです。
ほどよい脂とさっぱりした後味で、辛口の日本酒が思わずほしくなる逸品。現在、久美浜町でこのしろ寿司を製造・販売しているのは河清商店と綿徳商店の2件のみ。お正月需要で京阪神を中心に出荷されるとのことなので、ぜひご賞味あれ。
このしろ寿司と徳川家康のエピソードをご紹介した記事はこちら↓
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河清商店
電話:0772-82-0012
住所:京丹後市久美浜町2905
時間:9:00~18:00
休み:日曜日、祝日
鯖と酢飯を漬け込んだ美山の伝統料理
【南丹市】鯖なれ寿司

主に魚を塩とご飯で乳酸発酵させ、酸味を生じさせた“なれ寿司”。滋賀県のふな寿司や、石川県・富山県のかぶら寿司、秋田県のハタハタ寿司などたくさんのなれ寿司が全国にありますが、南丹市の美山町で作られるのは「鯖なれ寿司」なんです。
塩漬けにしたサバを開き、酢飯のおにぎりを乗せ、その上に笹の葉を置いてギュッと丸めて形を整えます。そして大量のサバを大きな桶にぎっしり詰め込んで10日ほど漬け込めば完成。サバはチーズのような豊潤な香りと味わいで、ご飯は口に入れたとたん溶けてしまうなめらかさ!

鯖なれ寿司は毎年10月上旬~下旬に「ムラの駅 たなせん」、道の駅「美山ふれあい広場」で販売されます(予約は9月開始予定)。※2025年分は販売終了が見込まれますのでご了承ください。
鯖なれ寿司づくり教室で作り方を取材した記事はこちら↓
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ムラの駅 たなせん
場所:南丹市美山町鶴ヶ岡新釈迦堂前1
電話:0771-76-0016
時間:9:00~18:00(冬期 9:00~17:00)
休み:火曜日
HP:https://www.instagram.com/tanasen1999/
美山ふれあい広場
場所:南丹市美山町安掛下23-2
電話:0771-75-0815
時間:8:30~17:00
休み:無休
HP:https://www.instagram.com/flat_miyama/
より美味しいサバを求めて生まれた鯖寿司
【京都市】鯖寿司

画像提供:いづう
江戸時代に京都で誕生したと言われる鯖寿司。サバは日本海の若狭湾(福井県)で獲れましたが、当時は京都市内に運ぶのに2~3日かかるため、サバの鮮度を保てませんでした。そこで、より美味しいサバを食べるために塩サバにして若狭~出町柳を結ぶ鯖街道を渡ってきたのです。その塩サバを酢でしめてシャリを加えて完成したのが鯖寿司です。
そんな鯖寿司の名店が祇園にある「いづう」です。こちらの名物「鯖姿寿司」(1本2人前6,480円、1人前6貫3,240円)は、身がしまった上質な真サバに、独自の配合をした「いづう特選米」を使用。特徴的な断面は、初代のいづみや卯兵衛の一文字「卯」にちなんでウサギの形に見えるように仕立てられています。店内には、お召し上がり処もあり、お持ち帰りやオンライン販売もあります。
■■INFORMATION■■
いづう 本店
場所:京都市東山区八坂新地清本町367
電話:075-561-0751
時間:11:00~22:00(日曜・祝日は~21:00)、お召し上がり処はLO21:30(日曜・祝日はLO20:30)、
休み:火曜日(祝日・祭事などの際は営業)
HP:https://www.izuu.jp/
冬の京都で好まれる熱々の蒸し寿司
【京都市】蒸し寿司

こちらは京都発祥の「蒸し寿司」。名前の通り、せいろで蒸して熱々の状態で提供されるので、冬に好まれるお寿司です。錦糸卵やアナゴ、エビなど具のバリエーションはお店によってさまざま。
京都市内の繁華街・新京極にある「寿司 乙羽(おとわ)」では、10~3月中旬に提供されています。錦糸卵の下には香ばしく焼き上げたアナゴやハモそぼろ、シイタケやかんぴょうなどが入っています。イートインのほか、お持ち帰りもOK。冬の京名物でほっこり温まってみてはいかがでしょう。
■■INFORMATION■■
寿司 乙羽
場所:京都市中京区新京極通四条上ル中之町565
電話:075-221-2412
時間:11:00~20:00
休み:月曜日(祝日の場合は営業)
年中味わえる春の味覚
【長岡京市】竹の子姿ずし

画像提供:うお寿
春に旬を迎えるたけのこは長岡京市の名産品のひとつ。そのたけのこを使った「竹の子姿ずし」はご存知ですか?
こちらは長岡京市にある京料理「うお寿」の看板商品で、1年中いただけるとあって、贈り物にも選ばれるほど。水煮のたけのこを酒やみりん、カツオ節などで炊き、円錐型にくりぬいてすし飯を詰め込みます。すし飯には木の芽と柚子、細かく刻んで飴炊きにしたたけのこが和えられていて、一口頬張るとさっくりしたたけのこの食感と木の芽と柚子の香りがふんわりと漂います。
竹の子姿ずしはお店で提供・販売されるほか、お取り寄せもOK。詳しくはHPからご確認ください。(1人前 2,200円)
■■INFORMATION■■
うお寿
場所:長岡京市今里2-17-8
電話:075-951-0325
時間:11:00~19:30(最終入店)
休み:月曜日(祝日・祭事などの際は営業)
HP:https://www.uosu.jp/






